「ポストパンデミック期」の日本食品の売り上げ増加に期待

(フィリピン)

マニラ発

2022年04月27日

ジェトロは、フィリピンにおいて、日本食品の取り扱いに関心のある複数の輸入・卸事業者や小売店を対象にインタビュー調査(実施期間:2022年2月8日~3月17日)を実施した。調査を通して、より消費の現場に近い事業者の景況感は非常に好調で、パンデミック下でも食品市場が伸びていること、また、将来的に継続して人口が増加することも踏まえると、今後も食品市場が成長すると考えていることが分かった。調査の中で、日本食品に対する需要の存在が確認された。

日本食品の販売動向について、牛肉を輸入する事業者からは「日本の牛肉は高品質で他国のものと比較してもはるかに美味で、富裕層を対象に販売している」(エムケーケーエスフードインダストリー、タン・マーケティング部長)、菓子を輸入する事業者からは「経済状況にかかわらず食品市場は伸びており、若い世代だけではなく、より高級な味を求める年配の消費者も視野に入れて販売している」(グランドドラゴンエンタープライズ、シー氏:オーナー)との声があった。ローカルブランドや他国産の食品と比べ、日本食品の価格は高いものの、高品質で高級な食品を求める消費者を主な対象として販売されていることがうかがえる。

また、現在および今後の景況感について、菓子の小売店からは「食品市場をめぐるビジネス環境は上向いており、パンデミック後は職場に人が戻るため、確実に改善していく。人口増加に伴う食品需要の高まりも期待される」(ロビンソンスーパーマーケット、レスータイ・マーケティング部長)、牛肉を輸入する事業者からは「好景気でも不況でも食品の売り上げは上昇傾向にある」(イーエスブイ、シャーウィン社長)との声が寄せられた。

飲食料品の売上高は3%増加見込み

米国農務省が2022年4月8日に発表した報告書においても、フィリピンにおける高品質な輸入食品および飲料の原料に対する需要は、引き続き高いと指摘されている。同報告書によると、経済が2022年にパンデミック前の水準に近づくと、人流の回復と経済の再開に後押しされるかたちで、食品・飲料製造業の売上高3%の成長が見込まれ、食品・飲料に対する個人消費も伸びると予測されている。

(須藤真)

(フィリピン)

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