アウディ、ハンガリーでSUV新型モデル生産開始を発表
(ハンガリー、ドイツ)
ブダペスト発
2022年04月01日
アウディ・ハンガリアは3月23日、「キュプラ」ブランドのスポーツ用多目的車(SUV)の新型モデルの生産をハンガリー北西部ジェールの工場で2024年から開始すると発表した。
新型モデルは、マイルドハイブリッドやプラグインハイブリッドなど、複数種類のエンジン(および電動車用駆動装置)を搭載する予定。このうち、次世代プラグインハイブリッド車(PHEV)の純電気航続距離は約100キロとされる。
ジェール工場はフォルクスワーゲン(VW)グループの最大のエンジン生産拠点で、アウディブランドのほか、VW、シュコダ、セアト、キュプラ、ベントレー、ランボルギーニのエンジンを生産している。2021年のエンジン生産台数は162万776台に達している(電動車用駆動装置9万6,976台を含む)。
アウディ・ハンガリアは、電動車の開発に力を入れている。同社の2021年の投資総額1億6,260万ユーロの大半が電動車用駆動装置関連、特に次世代電動車用プラットフォームの「プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)」に向けられた。
ジェール工場では現在、アウディのQ3とQ3スポーツバック、これらのモデルのマイルドハイブリッド仕様車(MHEV)やプラグインハイブリッド仕様車(PHEV)の完成車を生産している。また、アウディTTクーペとTTロードスターもジュール工場で生産している。2021年には新型コロナウイルス禍や半導体不足などの課題を抱えながらも、生産台数は過去最高の17万1,015台を記録した。
また、アウディ・ハンガリアでは、エンジンや完成車の生産に加え、生産設備の開発も行っているほか、「コンピテンスセンター」(注)を設置し、VWグループ全体に対して調達やIT、ロジスティック、開発などのサービスも提供している。
SUV新型モデル生産開始のプレスリリースで、ディントナー・アルフォンス取締役会長は「アウディ・ハンガリアは世界中に広がるVWグループの生産網の重要な一部を担う組織として、VWグループ全体に対して幅広いサービスを提供している」と強調した。また「キュプラの生産開始により、会社の国際的な地位の強化と、自動車生産の将来的な実行可能性と柔軟性の確保に加え、従業員の長期的な雇用も確保したい」との抱負を表明している。
(注)核となる技術を集約し、研究開発を行う研究センター。アウディのコンピテンスセンターでは研究開発のほか、VWグループ全体に対する各種事務系サービスも提供している。
(バラジ・ラウラ)
(ハンガリー、ドイツ)
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