米石油大手エクソンモービル、ロシア天然ガス・石油採掘「サハリン1」停止のプロセス開始
(米国、ロシア、日本、インド)
ヒューストン発
2022年03月02日
米国石油大手エクソンモービル(本社:テキサス州アービング)は3月1日、同社がオペレーターを務めるロシア極東サハリン州での天然ガス・原油採掘事業「サハリン1」の操業を停止するプロセスを開始し、ロシアでの新規投資は今後実施しないと発表した。
同社はウクライナの状況に関して次のとおり声明を発表している。
- エクソンモービルは、ウクライナの人々が自由を守り、国家としての将来を決定しようとしていることを支持する。ウクライナの領土の一体性を侵害し、その国民を危険にさらすロシアの軍事行動は遺憾だ。
- われわれは罪のない人々の命が失われたことを深く悲しみ、強い国際的対応を支持する。われわれは全ての制裁を完全に順守している。
- エクソンモービルは、日本、インド、ロシアの企業の国際コンソーシアム(注)を代表してサハリン1事業を運営している。最近の事態を受けて、当社は操業を停止するプロセスを開始し、サハリン1事業からの撤退を検討している。
- サハリン1のオペレーターとして、われわれは人々の安全と環境の保護、業務の完全性を確保する義務がある。オペレーターとしてのわれわれの役割は、単なる出資にとどまらない。操業停止プロセスは慎重に管理され、安全に実行されるよう、共同事業者と緊密に調整する必要がある。
- 現在の状況に鑑み、エクソンモービルはロシアでの新たな開発には投資しない。
サハリン1事業にはロシアの石油掘削大手ロスネフチ、米石油大手エクソンモービル、日本の官民が出資するサハリン石油ガス開発(SODECO)、インド石油天然ガス公社(ONGC)などが参画している。
(沖本憲司)
(米国、ロシア、日本、インド)
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