各国がロシアへ対抗措置、エネルギー分野でも

(世界)

国際経済課

2022年03月31日

2月末から続くロシアによるウクライナ侵攻を受け、エネルギー分野でも、世界屈指のエネルギー供給国に対して世界各国が厳しい対応を示している。

国際エネルギー機関(IEA)は3月23~24日、閣僚理事会を開催し、日本を含む世界40カ国以上の国・地域から閣僚が参加した。声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、ロシアに対して、軍事機器へのエネルギー使用など、エネルギー安全保障を脅かす行為を強く非難した。議長を務めた米国のジェニファー・グランホルムエネルギー長官はウクライナへの支援や、国際エネルギー市場の安定化、化石エネルギーの「兵器化」を行う国家へのエネルギー依存からの脱却について、IEA加盟国と欧州委員会が協力することを表明し、クリーンエネルギーへの転換の早急な推進を最優先事項とした。

3月28日にはG7臨時エネルギー相会合が開催された。共同声明PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)では、ロシアによる天然ガスに対するルーブル建て支払いに関する要求を拒否し、ドルまたはユーロでの支払いを規定した合意済みのガス供給契約を尊重することを再確認した。また、G7各国に拠点を置く企業に対しても、こうした要求に応じないよう呼びかけることで合意した。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は3月23日、欧米諸国や日本など、ロシアが「非友好国」と見なす国への天然ガス輸出に対して、ルーブル建て支払いを求める方針を発表していた。

IEAが3月に発表した統計外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、2020年時点のG7各国の天然ガス消費量に対するロシアからの供給量の割合をみると、米国、カナダがそれぞれ0%、英国3.0%、日本8.2%に対して、ドイツ45.7%、イタリア40.9%、フランス20.0%で、EU諸国に対する影響が大きい。

(田中麻理)

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