中銀、外国人居住者の家族送金に係る規制緩和を発表
(バングラデシュ)
ダッカ発
2022年01月05日
バングラデシュ中央銀行は12月27日、外国人居住者がバングラデシュで受ける給与について、本国への家族送金に係る規制緩和を発表した。この措置は即日発効した。
外国人居住者は従来、当地で受ける税引き後(ネット)の月額給与のうち、毎月75%を本国に居住する家族(注1)向けとして、当該者の本国口座に送金可能としていた。今回の措置により、送金可能枠の5%増加(同月額給与の80%)が認められた。また、当該送金のタイミングについては、従来明記されていなかったが、年間を通じて随時可能なことが明記された。さらに、送金後の残りの給与については、これまでは駐在期間が終了し帰任時のワークパーミットキャンセル後に25%の送金が可能だったが、規制緩和後、税務当局による監査完了の証明書を基に、会計年度の終了時(原則として6月)に本国口座に20%の送金が可能となった(添付資料表参照)。なお、これら送金額の算出に当たり、雇用主による各種の補助制度(住居、車両、使用人、渡航にかかる費用など)の相当額は、対象外であることが外国為替取引ガイドライン〔11章8(d)〕に規定されている。
外国人居住者が駐在などの期間を終え、本国に帰国する際、銀行口座の残高を自身の本国口座に送金することは従来どおり可能(注2)だ。今回の規制緩和について、当地の香港上海銀行(HSBC)の関係者は「家族送金についても市中銀行の管理責任と権限による送金が可能で、中央銀行による事前許可は運用上、不要となっている(規制上、明記はされていない)。今般の措置により家族送金後の残高が毎年の会計年度末に送金可能になったことのメリットは大きいだろう。政府は新型コロナウイルス禍でも、海外送金に係る規制緩和を進めており、その傾向は今後も続くとみている」と話している。
(注1)家族は妻、子供のみを指す。
(注2)原則として中央銀行による事前許可は不要と明記されている。
(山田和則、安藤裕二)
(バングラデシュ)
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