第3四半期の実質GDP成長率は前期比2.3%、プラス成長続く

(ポーランド)

ワルシャワ発

2021年12月09日

ポーランド中央統計局(GUS)は11月30日、2021年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率(季節調整済み)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを前期比2.3%と発表した(添付資料表参照)。前期比で3四半期連続のプラス成長となり、第2四半期(4~6月)の1.8%からさらに伸長した。なお、11月12日発表の速報値の前期比2.1%から0.2ポイント上方修正した。前年同期比は5.5%で、速報値5.3%から0.2ポイント上方修正した。

需要項目別にみると、国内需要は前期比3.2%増で、前期から2.3ポイント上昇し、成長の押し上げに大きく貢献した。特に、個人消費は引き続き好調で、前期の2.5%から4.3%へと大幅に伸びた。総資本形成と総固定資本形成は前期の3.9%減と11.7%減からそれぞれ回復し、7.2%増と2.4%増となった。在庫投資は3.7%増だった。一方、外需(純輸出)は3四半期連続でマイナスに推移し、成長率に対してマイナスに寄与した。

産業別にみると、製造業は前期比1.9%増、運輸倉庫業は3.2%増で、2020年第2四半期以降、5四半期連続でプラス成長となった。「新型コロナ禍」の打撃を最も強く受けた宿泊・飲食業は、感染者数が減少して行動制限が緩和された第3四半期の7月から9月は旅行シーズンも重なり、前期の4.1%減から一転し3.1倍近い大幅な伸びを記録した。一方、建設業は前期の4.2%増から0.1%減とマイナスに転じ、振るわなかった。

PKO銀行の経済調査部門は、ポーランド経済は2020年第2四半期から2021年第2四半期まで続いた「新型コロナ禍」の浮き沈みが激しい状況を脱し、前年同期比5%を超える高い成長率で安定したとみている。また、在庫品増加は2006年以来最大で、企業が部材と原材料の不足に対し、在庫を積み増ししているためとみている。なお、インフレ率が急上昇しているものの、賃金の上昇やロックダウン時の買い控えによる貯蓄の増加により、引き続き個人消費が国内経済を牽引すると予想している。

ポーランド国立銀行(NBP)は11月8日にインフレ率とGDP成長率見通し外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表しており、2021年のGDP成長率予測を前回7月予測の5.0%から5.3%へ上方修正した。

(ニーナ・ルッベ、今西遼香)

(ポーランド)

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