2021年度第2四半期GDP成長率、前年同期比8.4%

(インド)

ニューデリー発

2021年12月06日

インド統計・計画実施省(MOSPI)は11月30日、2021年度第2四半期(7~9月)の実質GDP成⻑率(2011年基準)推計値外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを前年同期比8.4%と発表した。「新型コロナ禍」による厳格なロックダウンで経済活動が停滞し、マイナス成長を余儀なくされた前年同期とは対照的に、2020年度第3四半期(10~12月)から4期連続でのプラス成長となった。

2021年度第2四半期の成長率を需要項目別にみると、全ての項目でプラス成長となった。ほとんどの項目で成長率がマイナスだった前年同期と比し、経済活動の段階的な正常化によって、企業の設備投資など投資活動を示す総固定資本形成は11.0%、個人消費を示す民間消費支出は8.6%、輸出は19.6%のそれぞれ大幅なプラス成長となった。

産業部門別の粗付加価値(GVA)成長率をみると、前期に続き全部門でプラス成長を達成した。貿易・ホテル・運送・通信・報道関連サービスが8.2%、金融・保険・不動産・ビジネスサービスが7.8%、公共・防衛・その他サービスが17.4%と、活動制限の解除によりサービス関連部門が大きく回復した。また、農林水産(4.5%)、鉱業・採掘(15.4%)、製造(5.5%)、電力・ガス・水道(8.9%)、建設(7.5%)もそれぞれ堅調な伸びとなった。

2021年度第2四半期のGDP総額〔35兆7,345億1,000万ルピー(約53兆6,000億円、1ルピー=約1.5円)〕は、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年度第2四半期(35兆6,153億ルピー)を上回る水準まで回復している。前年度は、現基準で統計を取り始めた2011年以降、年度では初のマイナス成長(マイナス7.3%)を余儀なくされた(2021年6月7日記事参照)。インド準備銀行(RBI、中央銀行)は2021年度(2021年4月~2022年3月)の実質GDP成長率を9.5%と予測している。

(高際晃平)

(インド)

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