東レ、LG化学とバッテリーセパレーターフィルム製造の合弁会社をハンガリーに設立へ
(ハンガリー、日本、韓国)
ブダペスト発
2021年11月12日
東レは10月27日、2018年に設立した子会社「Toray Industries Hungary」(東レハンガリー)に対して、韓国の化学メーカーLG Chem(LG化学)が3億7,500万ドルを出資し、東レとLG化学が50%ずつ出資する「LG Toray Hungary Battery Separator」を設立すると発表した。
新会社は、東レハンガリーの既存施設を利用して、車載用リチウムイオン二次電池(LIB)用のバッテリーセパレーターフィルムを生産する。さらに、両社は今後の需要拡大に対応するため、2022年前半から東レハンガリー敷地内でのフィルム基材生産設備の増設とコーティング設備の新設を開始することにも合意した。2028年までにフィルム年間生産能力を8億平方メートルまで増強する計画だ。
生産したフィルムは、ポーランドをはじめとする欧州各国のLGグループ企業に供給する。合弁会社設立から2年半経過後に、東レが自社持ち分株式の20%をLG化学に有償譲渡し、LG化学が以降の経営主体を担うことにも合意した。
今回の合弁会社設立は、両社それぞれが強みを持つ、東レのフィルム基材の製膜技術、LG化学のコーティング技術を互いにライセンス供与することで、大幅な成長が見込まれる車載用途向けのLIB用バッテリーセパレーターフィルム製造事業を拡大することが目的だ。
東レはプレスリリースで「LGグループの電池素材から電池製造まで一貫の垂直事業モデルの下で安定的な販売先を確保し、事業拡大を進める」と新会社に期待を寄せている。一方、LG化学は、東レの高い製膜技術を自社のコーティング技術に加えることで、世界市場でのセパレーター製造企業としての地位強化を狙う。
ハンガリーについて、LG化学は「優れたロジスティクスと輸送の利便性を備え、かつ、主要な顧客である自動車メーカーが立地する欧州各国とも隣接しており理想的」と、その地理的条件を高く評価している。
(バラジ・ラウラ、清部陽介)
(ハンガリー、日本、韓国)
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