ジェトロ、米カリフォルニア州消費者プライバシー法の解説オンラインセミナー開催

(米国)

サンフランシスコ発

2021年10月28日

ジェトロは10月12日、米国カリフォルニア州消費者プライバシー法(California Consumer Privacy Act、CCPA)対策について、杉本武重弁護士(S&K Brussels法律事務所)、田中浩之弁護士(森・濱田松本法律事務所)を講師に迎えてオンラインセミナーを開催した(注1)。日系企業関係者ら300人以上が参加した。

同州で全米初の包括的な個人情報保護を定めたCCPAが2020年1月に施行された後、バージニア、コロラド両州で類似の個人情報保護法が施行予定(注2)となるなど、個人情報保護の法制化の動きが米国内で広がりつつある。さらに、カリフォルニア州では、CCPAの改正法となるカリフォルニア州プライバシー権法(California Privacy Rights Act、CPRA)が2023年1月1日から適用開始され、当局による執行は2023年7月1日以降となる予定だ。

CCPAについては、2020年7月から司法当局による執行が開始された。1年が経過した2021年7月、当局はCCPAの不順守を通知した27件の執行事例を発表し、各事例の業種や不順守の要因などを公開している。セミナーでは、こうした個人情報保護をめぐる最新の動きを受けて、コンプライアンス対応が求められる事業者の立場から、CCPAと他のプライバシー法との比較や、当局からCCPA不順守が通知された27事例の解説などを行った。

セミナーの質疑応答では、「CCPAで認められている30日間の是正期間がCPRAではなくなるならば(注3)、CPRAでは執行事例が増えるのではないか」「8月に可決した中国の個人情報保護法(注4)がCCPA・CPRAに与える影響はあるのか」「従業員ハンドブックへCCPAを記載するべきか」「CCPA改正後のECビジネスやデジタル広告に対する企業の留意点などを教えてほしい」「カリフォルニア、コロラド、バージニア以外の米国の他州のプライバシー法案の状況を知りたい」などの質問や要望が寄せられた。

(注1)このセミナーはこちらのページでオンデマンド配信中。説明資料もダウンロード可能。

(注2)コロラド州プライバシー法(2021年7月14日記事参照)は2023年7月1日施行予定。バージニア州消費者データ保護法は2023年1月1日施行予定。

(注3)CCPAでは、州当局から不順守が通知されても30日以内の是正期間が認められていたが、CPRAではこうした是正期間の記述はなく、保証はないとされる。

(注4)中国の個人情報保護法(2021年8月26日記事参照)は2021年11月1日から施行予定。

(石橋裕貴)

(米国)

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