湖北省、科学技術イノベーション「14・5規画」発表

(中国)

武漢発

2021年10月25日

中国の湖北省科学技術局は10月11日、「湖北省科学技術イノベーション『14・5規画』」(注1)を発表した。同省の科学技術イノベーション発展に向けた取り組みを指導する綱領としての位置付けで、第14次5カ年規画期間(2021~2025年)のロードマップなども描いた。「規画」は主に以下のような目標を掲げている。

  1. 2021~2025年の研究開発費の年平均増加率は14%。
  2. 2021~2025年のハイテク産業の年平均成長率は12%以上。
  3. 2025年までに研究開発費全体に占める基礎研究の割合を8%に引き上げ。
  4. 2025年までに就業人口1万人当たりの研究開発工数を70人年以上に引き上げ(注2)。
  5. 2025年までに一定規模以上(注3)の工業企業のうち、研究開発センターを保有する企業の比率を50%超に引き上げ。
  6. 2025年までに全企業に占めるハイテク産業の割合を1.4%に引き上げ。科学技術系の中小企業数を2万社にまで増大。
  7. 2025年までに高付加価値な発明特許の保有件数を人口1万人当たり12件に引き上げ。
  8. 2025年までにテクノロジー市場(注4)での成約額が3,000億元(約5兆4,000億円、1元=約18円)を上回る。
  9. 2025年までに住民のうち科学的素養(注5)を有している住民の比率を16%に引き上げ。

また、産業技術のブレークスルーが必要な10の重点分野を整理し、49の重大科学技術イノベーションプラットフォーム、22の科学技術重大特別プロジェクトなどのリストを整備し、産業チェーンとイノベーションチェーンの融合・発展を促進するとしている。

さまざまな政策で産業の高度化推進

湖北省は産業の高度化を推し進めている。前述の「規画」のほかにも、同省政府は8月4日、「5+10+20の現代産業システムの構築に関する目標」を発表した(2021年8月17日記事参照)。これによると、省内に1兆元規模の5大基幹産業クラスター、5,000億元規模の10大有力産業クラスター、1,000億元規模の特色ある産業クラスターを20カ所形成するとしている。

(注1)第14次5カ年(2021~2025年)規画の略。

(注2)人年は1人が1年間で行うことのできる作業量(工数)を表す。

(注3)年商2,000万元(約3億6,000万円、1元=約18円)以上の企業を指す。

(注4)ソフトウエア、ハードウエアなどのハイテク分野における関連製品の販売市場を指す。

(注5)科学に関する学術用語と概念の理解、科学的推論力など、一定水準の科学リテラシーを指す。

(楢橋広基)

(中国)

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