8月の就業者数は14万6,300人減、外出制限措置の影響受け

(オーストラリア)

シドニー発

2021年09月17日

オーストラリア統計局(ABS)は9月16日、8月の雇用統計を発表し、就業者数(季節調整値)が前月から14万6,300人減少したことを明らかにした。月間総労働時間も前月比3.7%減と大きく減少した。ニューサウスウェールズ(NSW)州、ビクトリア(VIC)州、クイーンズランド(QLD)州などでの外出制限措置の影響が大きく表れた。

就業者数は、フルタイム労働者が6万8,000人、パートタイム労働者が7万8,200人減少し、全体では前月比1.1%減となった。失業者数は2万1,900人減少し、失業率は0.1ポイント低下して4.5%となった。労働参加率は0.8ポイント低下の65.2%、不完全雇用率は1.0ポイント上昇の9.3%、労働力の未活用率は0.9ポイント上昇の13.8%と、いずれも悪化した。

失業率を州別にみると、北部準州で1.1ポイント改善して3.4%となったほか、首都特別地域(0.7ポイント改善の3.5%)、VIC州(0.3ポイント改善の4.1%)で改善がみられた。一方、タスマニア州で0.9ポイント悪化の5.5%となったほか、NSW州(0.4ポイント悪化の4.9%)、南オーストラリア州(0.3ポイント悪化の5.0%)、QLD州(0.1ポイント悪化の5.3%)では悪化した。西オーストラリア州は横ばいの4.6%だった。

ABSは「外出制限が課されたことによって、労働者が職を失うだけでなく、失業者が職探しを諦めて労働市場を離れたため、労働力人口が大幅に減少し、失業率が低下した」と分析した。外出制限措置が続くNSW州では、就業者数(前月比17万3,000人減)と労働時間(6.5%減)がどちらも前月から大きく落ち込み、外出制限措置が始まった6月下旬以降では、就業者数は21万人減少し、労働時間は13.0%減少したという。

(住裕美)

(オーストラリア)

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