アフガニスタン情勢、イランは安定化に向けた協力を表明
(イラン、アフガニスタン、米国、中東)
テヘラン発
2021年08月18日
アフガニスタンの首都カブールが8月15日にタリバンによって占拠されたことを受けて、イランのイブラーヒーム・ライーシー大統領は翌16日、モハマド・ジャバド・ザリーフ外相との会談で、イランはアフガニスタンの安定回復のために協力する準備があるとし、「近隣の兄弟国として、アフガニスタン国内の全ての勢力が合意に達するように呼び掛ける」と述べた。
また「米国の軍事的敗北とアフガニスタンからの撤退は、アフガニスタンの生命、安全、永続的な平和を復活させるための機会になるはずだ」と強調した。イラン外務省やイスラーム共和国通信(IRNA)
などが報じた。
保守強硬派とされるタスニム通信は16日、ザリーフ外相が「戦争と暴力はアフガニスタンが問題から抜け出す方法ではなかったし、今後もそうなることはない。イランはアフガニスタンで和解を実現するための努力を継続する」と述べたと報じた。
同外相は、アフガニスタンのハミド・カルザイ元大統領が設立を発表した調整評議会(注)について、「イランの兄弟と、他のアフガニスタンの指導者によるこのイニシアチブは、対話の場と持続可能な和平への平和的な移行に寄与するもの」と評価した。
IRNAは16日付で「The end of Ashraf Ghani」とする記事を掲載。アフガニスタンを脱出したアシュラフ・ガニ大統領について、リビアの元指導者カダフィ大佐になぞらえた記事を掲載し、「今回も米国は、最終的にはガニ大統領を支援せず、アフガニスタンの混乱を招いた」とした上で、「イランや地域の各国が調停活動を継続し、独立して安定したアフガニスタンの創設を支援することが適切」とした。
(注)アフガニスタンの指導者らがタリバンと政権移譲について協議するための評議会。
(鈴木隆之、マティン・バリネジャド)
(イラン、アフガニスタン、米国、中東)
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