日系企業向け「社会保険の基礎知識」オンラインセミナーを開催

ジェトロは7月8日、進出日系企業向けに、「社会保険の基礎知識・実務ポイント」に関するオンラインセミナーを開催した。今回のセミナーは、深セン市に拠点を構えるコンサルティング会社NAC名南の浜田かおり氏が講師となり、現地のビジネス環境や進出企業が直面する課題、とりわけ社会保険に関する解説を行った。

社会保険制度に関する基礎的な制度や実務手順が紹介されたほか、管理者の留意点および労務リスクに関する対応について説明した。具体的には、支店を設置せず営業人員が常駐、企業登記地と社会保険加入地が異なるケースについて、社会保険の不正受給とみなされる可能性があることを指摘し、リスクを回避するために、（1）支店を登記、（2）会社と従業員の間で労務派遣契約を交わす、（3）人事サービス企業による請負契約を結ぶ、などの対策が紹介された。養老保険料率に関しては、国家基準では2019年5月より20％から16％に引き下げられたものの、広東省では2023年まで14％から段階的に引き上げが実施されるため、16％になるのは2024年1月1日と注意を促した。

参加した企業からは「リスクへの対応に関する考え方を知ることができた」「自分の理解が正しいかどうか確認することができた」といった声が聞かれた。

（田中琳大郎）