フランス政府、5G利用促進計画を発表

(フランス)

パリ発

2021年07月12日

フランス経済・財務・復興省は7月6日、第5世代移動通信システム(5G)の利用を促進する計画を発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。経済復興策と第4次未来投資計画の枠内で、2025年までに総額7億3,500万ユーロの公的資金を投入し、情報インフラ・セキュリティー分野における国家主権の確保を目指す。

具体的には、5Gの地方および製造業分野における利用促進、情報ネットワークに関わるフランス独自のソリューションの開発、6Gなど次世代ネットワーク技術の研究開発、職業訓練を通じた人材育成の4つが戦略の柱となる。公的資金のうち、1億500万ユーロを5Gの実用化に、3億6,000万ユーロをフランス独自のネットワーク構築に、2億3,300万ユーロを研究開発に、3,560万ユーロを人材育成に充てる。

政府は、公的資金の投入を呼び水に民間からの投資を合わせ、2025年までに総額17億ユーロの投資実現を目指す。同計画により、2025年までに2万人の雇用を創出し、国内の5Gの市場規模を150億ユーロまで拡大することを期待している。

政府はこれまで、経済復興策の枠内で国内生産回帰を促進するサプライチェーン補助金制度の公募により、5G分野で18件のプロジェクトを選定し、投資総額2億6,000万ユーロのうち8,300万ユーロの補助金を支給していた。

今回新たに、情報技術メディアン・システムが立ち上げた5Gの多数同時接続を利用したリアルタイムのデータ解析プロジェクト、半導体カルレが開発したネットワーク通信処理を高速化するアクセラレーションカードの医療、製造業などでの実用化プロジェクト、IoT(モノのインターネット)ソリューションのアドゥニスによる5GとIoTを利用した空調管理システムによるエネルギー消費の効率化、の3つのプロジェクトが選定された。投資総額1,900万ユーロのうち、政府が約1,000万ユーロを支援する。

政府は引き続き、5Gのイノベーティブな利用を促進するプロジェクトの公募を実施する。

(山崎あき)

(フランス)

ビジネス短信 6d3ac9ccb47bb784