第1四半期のGDP成長率、前期比1.0%、前年同期比ではマイナス0.6%

(ベルギー)

ブリュッセル発

2021年06月07日

ベルギー国立銀行(NBB)は5月31日、ベルギーの2021年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率を前期比で1.0%(季節調整済み)、前年同期比ではマイナス0.6%と発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した(添付資料表参照)。前期比でのGDP成長率は、2020年第3四半期(7~9月)にプラス成長を記録したものの(2020年12月9日記事参照)、第4四半期(10~12月)に再びマイナスに転じていた(2021年3月8日記事参照)。今期はプラス成長となったが、新型コロナウイルスの影響が既に出ていた2020年第1四半期と比べるとマイナス成長となり、依然として新型コロナ危機前の水準には回復していない。

2021年第1四半期のGDP成長率(前期比)を需要項目別にみると、民間最終消費支出は前期のマイナス6.4%から0.9%のプラスに転じ、GDPを0.4ポイント押し上げた。政府最終消費支出は同0.3%から1.3%に拡大し、寄与度は0.3ポイントとなった。国内総固定資本形成は同3.7%から2.5%に縮小し、寄与度は0.6ポイントと前期に比べやや低下した。財貨・サービスの輸出と輸入は前期比でそれぞれマイナス0.5%、マイナス1.3%となった。輸入に比べて輸出の落ち込みが小幅にとどまったことで、純輸出の寄与度は0.7ポイントとなった。

前期比で産業別にみると、サービス業は前期の0.6%減から0.7%増に転じ、GDPを0.5ポイント押し上げた。サービス業の中でも特に専門サービス業の寄与度が0.4ポイントと最も高く、成長を牽引した。製造業と建設業は前期比でそれぞれ2.1%増(寄与度0.3ポイント)、0.6%増(寄与度0.0ポイント)となった。

2021年第1四半期の雇用をみると、前期から7,200件増加して雇用率は前期比で0.1ポイントの改善、前年同期比でみると0.2ポイント改善した。一方で、国立雇用局(NEO)によると、3月末時点の完全失業者数は33万8,728人で、前年同期よりも3.4%増の1万1,276人増加となり、1年前に比べて悪化している。

(大中登紀子)

(ベルギー)

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