BW州、2020年の外国投資プロジェクト受け入れは前年比約1割増

(ドイツ)

ミュンヘン発

2021年05月07日

ドイツ南部に位置するバーデン・ビュルテンベルク(BW)州は4月19日、2020年に州内に外国企業が投資したプロジェクトが398件だったと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(添付資料表参照)。プロジェクト件数は前年(2020年5月12日記事参照)より9.0%増加した。

2020年のプロジェクト件数を国別にみると、スイス(129件)を筆頭に、米国(42件)、オーストリア(29件)、フランス(28件)と続いた。中国は15件となり、前年(22件)から31.8%減少した。日本は前年より1件減の6件とほぼ横ばいだった。業類別では、機械(57件)、IT・ソフトウエア(56件)、ヘルスケア(46件)が上位となった。

今回発表された投資プロジェクト398件は、外国企業の新規進出および拡張投資を集計したもの。これにより、州内には約5,800社の外国企業が存在することになるという。BW州の国際化支援・投資誘致機関であるバーデン・ビュルテンベルク・インターナショナルによると、これ以外に、外国企業による買収が49件、外国企業による少数資本参加が15件あったとしている。

2020年の投資プロジェクト事例として、BW州はファナックの拡張投資を紹介した。同社は、BW州シュツットガルト空港の近くに、ドイツ本社を構え、コンピュータ数値制御(CNC)システム、レーザー、ロボットの開発・製造・販売などを行う。BW州によると、同社は2,000万ユーロ超を投資し、欧州開発センターのほか、従業員向け駐車場用建物の建設を行う。欧州開発センターは2023年に完成する見込み。なお、同拠点の従業員数は過去3年で約100人増加し、現在約400人になっている。

ニコル・ホフマイスター・クラウトBW州経済・労働・住宅相は、同州が外国投資家を引きつける魅力として、(1)人工知能、量子コンピュータ、燃料電池開発などの次世代技術におけるイノベーション力、(2)経済界に近い研究機関の集積、(3)よく教育された専門労働者、(4)クオリティ・オブ・ライフ(生活水準)の高さ、を挙げている。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ)

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