極東・北極圏振興機関が1つに集約
(ロシア)
モスクワ発
2021年05月10日
ロシア連邦政府は4月27日、極東投資誘致輸出促進庁と極東・北極圏人的資本発展庁、極東・北極圏発展基金(注)を清算し、これら組織の機能を極東・北極圏発展公社に集約すると発表した。極東地域に進出する企業支援体制の一本化と組織の統廃合による業務効率化が狙い。
3組織の統合は2020年11月にミハイル・ミシュスチン首相が打ち出した政府系の企業支援機関の整理・統合方針に基づくもの。極東・北極圏発展公社のエドゥアルド・チェルキン社長は、3組織の活動を同社に統合することで業務の効率化と行政障壁の削減を図り、極東地域への進出や投資を希望する企業に一貫した支援を行えるようになると述べた(「タス通信」4月22日)。
極東・北極圏発展公社は極東・北極圏発展省所管の組織で、ユーリ・トルトネフ副首相兼極東連邦管区大統領全権代表とアレクセイ・チェクンコフ極東・北極圏発展相が活動を監督している。同社はもともと極東発展公社として発足し、極東地域にある優先的社会経済発展区域(TOR)やウラジオストク自由港といった経済特区の管理やインフラの整備、特区への入居申請受付業務などを行ってきた。2020年12月の連邦政府決定により管轄地域に北極圏が加わり、2021年1月に極東・北極圏発展公社に改称された。
(注)3組織はいずれも政府系の非営利法人。極東投資誘致輸出促進庁は輸出や極東地域への投資を行う企業に対するコンサルティングをはじめとした各種支援を行っていた。極東・北極圏人的資本発展庁は雇用・就労支援や職業訓練、土地開発や住宅ローン・プログラムを実施。極東・北極圏発展基金は投資プロジェクトへの融資や中小企業向けの低金利融資プログラムを提供してきた。
(タギール・フジヤトフ)
(ロシア)
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