第7回人口センサスの結果を発表、総人口は14億1,178万人
(中国)
北京発
2021年05月20日
中国国家統計局は5月11日、2020年11月1日から12月10日にかけて実施した第7回人口センサスの結果を発表した。発表によると、中国の総人口(2020年11月1日時点)は14億1,178万人となり、前回調査を行った2010年より7,206万人増加した。10年間の年平均増加率は0.53%だった。
人口の高齢化と高学歴化が加速
世帯数は4億9,416万世帯で1世帯当たりの人数は2.62人となり、2010年の3.10人から0.48人減少した。
男女別では男性が7億2,334万人、女性が6億8,844万人で、それぞれ51.24%、48.76%を占めた。男女比率(注1)は105.07で、前回調査時とほぼ横ばいだった。
年齢別でみると、0~14歳の人口が2億5,338万人、15~59歳が8億9,438万人、60歳以上が2億6,402万人(注2)で、それぞれ総人口の17.95%、63.35%、18.7%を占めた。2010年の年齢構成比と比較すると、0~14歳の比率は1.35ポイント上昇、15~59歳は6.79ポイント縮小した。60歳以上は5.44ポイント、65歳以上は4.63ポイントそれぞれ拡大した。
人口を学歴別でみると、大卒以上の学歴を有する人口が2億1,836万人となり、10万人当たりでは2010年の8,930人から1万5,467人に上昇した。15歳以上の人口の平均就学年数は9.08年から9.91年に上昇した。
流動人口は増加、都市化が着実に進行
都市部人口は9億199万人、農村部人口は5億979万人で、それぞれ総人口の63.89%、36.11%を占めた(注3)。2010年と比較すると、都市部人口は2億3,642万人増加し、比率が14.21ポイント拡大した。
戸籍登録地から離れた状態にある「人戸分離人口」は4億9,276万人で、総人口の約35%を占めた。うち流動人口は3億7,582万人で、10年間で69.73%増加した(注4)。
国家統計局の寧吉喆局長は記者会見において、この10年間で中国の総人口の年間平均成長率は前の10年間と比較して鈍化したがプラスを維持していること、教育レベルが着実に向上していること、年齢構成が変化していること、人口の流動が加速し都市化が進んでいることなどに言及したほか、今後一定期間、総人口は14億人の大台を維持すること、16~59歳の生産年齢人口も8億8,000万人と労働力資源が十分であることを指摘した。
また、人口の高齢化への対応について、中国人口学会副会長を務める北京大学社会学部の陸傑華教授は、生育政策の整備、養老サービスシステムの整備、社会保障システムの構築などが重要だとコメントしている(「環球時報」5月12日)。
(注1)女性の人口を100とした場合の男性人口の女性人口に対する比率。
(注2)うち、65歳以上の人口は1億9,064万人で総人口に占める比率は13.5%だった。
(注3)公安部によると、戸籍人口ベースの2020年の都市化率は45.4%となっている。
(注4)「人戸分離人口」は居住地と戸籍登録地が異なり、戸籍登録地から半年以上離れた状態にある人の数を、「流動人口」はそのうち各市の直轄区内の「人戸分離人口」を除いた人の数を指す。
(張敏)
(中国)
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