従業員50人以上の企業対象に抗原検査を義務化

(チェコ)

プラハ発

2021年03月03日

チェコ政府は3月1日、国内企業に対して従業員の新型コロナウイルス抗原検査を義務付けることを決定した。対象となるのは従業員数50人以上の企業で、以下のスケジュールを定めている。

  • 従業員数250人以上の企業:3月5日から検査開始、3月12日以降は過去7日間に検査を受けていない従業員の職場への立ち入りを禁止。
  • 従業員50人以上250人未満の企業:3月8日から検査開始、3月15日以降は過去7日間に検査を受けていない従業員の職場への立ち入りを禁止。

対象となる従業員は、過去90日以内にPCR検査あるいは抗原検査で陽性結果が確認されたものの現在症状のない者を除く全員とされている。ただし、職場への出入り可否を定めるもののため、自宅勤務の従業員は対象外となる。

抗原検査は企業内の医療施設や、企業が契約している外部医療機関で健康保険会社が認める機関、あるいは一般の抗原検査センターで受けることができる。この場合、公的健康保険加入者であれば、3日に1度まで検査代は無料となっている。

上記の検査方法が不可能あるいは不都合な場合には、市販のセルフ検査キットを企業が購入して従業員に提供することもできる。使用可能な検査キットは保健省がリスト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表している。検査キット購入費用に関しては、従業員1人当たり月4回の検査を行うことを前提に、キット1点当たり最高60コルナ(約294円、1コルナ=約4.9円)を健康保険会社が負担する。

抗原検査の結果が陽性の場合、当該従業員は雇用者に報告するとともに、PCR検査を受ける義務を負う。

カレル・ハブリーチェック産業貿易相は「政府は製造業の閉鎖を命じない代わりに、抗原検査を義務化する」と説明し、これにより2週間以内に国内1万社の従業員210万人が検査を受けると見積もっている。

国内産業界は今回の検査義務化を歓迎している。産業連盟のヤン・ラファイ副会長は「雇用者は従業員の感染防止のため、あらゆる手段を尽くすべきだ。定期的な抗原検査の実施は、企業内での感染拡大を防ぐため有効な手段だ」と述べた。

(中川圭子)

(チェコ)

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