欧州議会、循環型経済実現に向け決議を採択

(EU)

欧州ロシアCIS課

2021年02月22日

欧州議会は2月10日、完全な循環型経済を2050年までに実現するための包括的な決議を本会議で採択外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。本決議は2020年3月に欧州委員会が発表した循環型経済行動計画に対応するもの(2020年3月17日記事参照)。

欧州議会は決議の中で、EU市場に上市(注)される製品ごとのライフサイクル全体の原材料使用、消費に伴う炭素排出量に対して、拘束力のある2030年目標を設定する必要がある、と欧州委に提言。また、リサイクル材の使用割合についても製品別・セクター別の目標を設定することを求めた。

そのほかにも、エコデザイン指令の範囲を、エネルギーに関連しない製品に対しても拡大する新法案を2021年中に提出するよう欧州委に促した。この法案において、EU市場に上市される製品が、高性能で、耐久性があり、再使用が可能で、修理が容易、環境に無害、アップグレードやリサイクルが可能で、リサイクル材を含み、かつ資源・エネルギー効率の高い製品となるよう製品別の基準を設定すべきとした。

また、本会議では、欧州グリーン・ディールで掲げられている目標は、EUが循環型経済モデルに移行し、新たな雇用やビジネスチャンスを生み出すことによってのみ達成できると強調した。さらに、廃棄物に関する既存の法制は、より徹底的に運用されるべきで、特にテキスタイル、プラスチック、包装、電化製品などのセクターや製品に対してはさらなる方策が必要とした。

(注)EU域内に初めて製品を市場投入すること。

(山田恭之)

(EU)

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