ルーマニア、EU・英国間の通商・協力協定合意を歓迎
(ルーマニア、英国)
ブカレスト発
2021年01月12日
EUと英国間の通商・協力協定が12月24日に合意に至ったこと(2020年12月25日記事、同日付記事参照)を受け、ルーマニアではおおむね好意的な反応を見せている。クラウス・ヨハニス大統領は合意直後にツイッター上で「ルーマニアは、英国のEU離脱後のEUと英国の将来関係協定の合意を歓迎する。この合意により、ルーマニアの企業と国民が競争力を保つことが可能となった」として、EUのミシェル・バルニエ首席交渉官らをたたえた。政府ウェブサイトでは「英国のEU離脱(ブレグジット)について」のページが作成され、以下の項目の英国との関係について情報提供している。
- 税関に関する規則、税金、証明書
- 輸送の認可
- ビジネス環境
- 人の移動と市民権
- 法務および内務に関する内容
労働・社会保護省は12月31日のプレスリリースで「労働、学業、商用目的で英国に入国するルーマニア人は1月1日以降ビザが必要となるが、観光目的で英国に短期滞在するルーマニア人のビザは不要」と発表した。英国の国民統計局によると、2019年の英国在住外国人数は、1位が約90万人のポーランド人、2位が約45万人のルーマニア人となっている。
ルーマニア商工会議所は、2020年にブレグジットに関するオンラインセミナーを複数回開催している。ミハイ・ダラバン会頭は「英国はルーマニアにとって最大の貿易黒字国であると同時に、5位の輸出先でもある。商工会議所を挙げてブレグジットによる規制変更に関する情報共有を徹底していく」として、英国との関係を引き続き重視する姿勢を見せている。
なお、1月1日以降、ルーマニア国内ではブレグジットによる大きな混乱は見られないが、一部にルーマニアから英国向けのクーリエサービスが停止している。例えば、DHLはユーロトンネルを利用した英国への陸送を停止したが、これは税関ルールの変更に加え、英国での新型コロナウイルス変異種の発生による英国の国境封鎖が主要因だった。同サービスは1月7日以降再開されている。
(ミンドル・ユニアナ)
(ルーマニア、英国)
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