マハーラーシュトラ州、変異種発見を受け、夜間外出禁止・隔離措置
(インド)
ムンバイ発
2020年12月25日
英国で12月21日、感染力が強い新型コロナウイルス変異種が発見されたことを背景に、インドのマハーラーシュトラ(MH)州政府は州全域に、12月22日から2021年1月5日かけて夜間外出禁止令(Night curfew)を発令した。外出禁止時間は午後11時から午前6時までとなる。
営業再開しているレストランやバーの中には、営業時間の制限や感染防止のための標準作業手続き(SOP)を必ずしも順守してない場合もみられる。そのため、州政府は、例年、帰郷や集会などが増加する年末年始にパーティーや集会などの夜間の外出を禁止し、感染拡大を抑制したい考えだ(「タイムズ・オブ・インディア」紙12月22日)。
また、MH州は同日、夜間外出禁止令に加え、欧州、中東、南アフリカからの同州への入境に対し、14日間の指定施設での隔離措置などの制限を通達した。この通達を受け、同州の州都ムンバイ市はさらに、英国からの入境者に対し独自のガイドラインを発表した。
MH州の新規感染者数は減少傾向にある。州都ムンバイの現感染者(感染者数から、回復者数と死者数を除いた数)もこのところ7,000~8,000人の間で推移しており、小康状態にある(添付資料表参照)。そうした状況ながらも、当局は今後の感染拡大の再来に強い危機感を持って各種予防措置をとっている。例えば、マハーラーシュトラ州公衆衛生当局は12月15日、検査の拡充を図るため、PCR検査の費用の引き下げを発表した。病院など施設でのサンプル採取は当初の4,500ルピー(約6,300円、1ルピー=1.4円)から850ルピーへ、自宅でのサンプル採取による検査は9月の2,000ルピーから980ルピーとした。さらに、ムンバイ市は、医療関係者を中心に約12万5,000人に新型コロナウイルスのワクチン接種を予定し準備を進めている(「タイムズ・オブ・インディア」紙12月12日)。
(比佐建二郎)
(インド)
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