10月の輸出額が前年同月比4.1%減、主力の衣料品輸出が落ち込む
(バングラデシュ)
ダッカ発
2020年11月10日
バングラデシュ輸出振興庁が発表した統計によると、10月単月の輸出額は29億4,780万ドルで、前年同月比4.1%減となった。輸出額の78.8%を占める衣料品が7.8%減の23億2,372万ドル、そのうちニットが2.2%減の13億3,822万ドル、布帛(ふはく)が14.4%減の9億8,550万ドルだった(添付資料表参照)。2020/2021年度(2020年7月~2021年6月)の輸出額は、7月から9月まで3カ月連続で前年を上回っていたが、10月に4カ月ぶりに前年を下回った。
在バングラデシュの日系繊維商社は「新型コロナウイルスの影響で、日本のアパレル小売業界は全体的に苦戦しているものの、一部の量販店は好調だ。日本では朝晩は肌寒い日が続くようになり、秋冬物の商材に動きがみられるが、ワイシャツなどの布帛系アイテムは動きが鈍い。在宅勤務や外出自粛という流れで、部屋着のようなカットソー系アイテムが好調だ。オーダーに関しては徐々に発注数が回復する兆しがみえてきているが、アイテムによって売れ行きの明暗が分かれそうだ」と話しており、日本向けの輸出動向にも注目される。
医薬品については、新型コロナウイルスの影響もあり、10月は前年同月比16.7%と大幅に増加している。バングラデシュ医薬品工業協会(BAPI)によると、バングラデシュでは、新型コロナウイルスの治療薬のベムシビル(Bemsivir、レムデシビルのジェネリック)やファビピラビル(Favipiravir、アビガンのジェネリック)を8社が製造し、一部が輸出されていることに加え、抗ヒスタミン剤、抗酸化剤の需要が世界的に増え、輸出が伸びている、と話す。
(安藤裕二)
(バングラデシュ)
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