マハーラーシュトラ州、新ガイドラインで限定的な追加緩和策を発表
(インド)
ムンバイ発
2020年09月04日
マハーラーシュトラ(MH)州は8月31日、インド中央政府の段階的ロックダウン解除(Unlock4.0)発表を受け、州独自のガイドラインを発表した。今回のガイドラインでは追加緩和策が示されたが、中央政府が新たに許可したメトロの運行や第9~12学年(日本の中学3年生~高校3年生に相当)の通学は同州では認められなかった。
MH州では、学校や大学といった教育機関が、オンライン授業を除き、引き続き9月30日まで閉鎖となり、(モール内の施設を含む)映画館、プール、娯楽施設、劇場、バー、集会場などの再開が見送られた。また、中央政府が許可したメトロに関しても再開が認められていない。
一方、これまで33%の稼働に制限されていたホテルの営業は、9月2日から100%の稼働が可能となった。また、事業所への出勤人数の上限も緩和された。公共セクターにおいては、役職・職階により出勤制限が異なるが、人数制限は緩和上級職が100%可となるなど緩和された。民間セクターにおいても、出勤上限が「10%あるいは10人の多い方」から30%へ緩和された。制限緩和にあわせ、全ての事業所で感染対策担当を設置することが、新たに求められた。このほか、州内の地区間移動の制限も撤廃され、事前許可や電子通行証の取得が不要となった。
以上が主な緩和策の内容だが、不透明な箇所も散見される。今回の緩和措置によって、民間セクターの出勤上限は「30%」となった。しかし、これまでのガイドラインに倣えば「30%あるいは30人の多い方」となるべきだが、今回の通達を見る限りそうはなっていない。また、これまでの通達では「買い物などの不要不急の用事は、近所に限られる」という一文が挿入されていたが、今回の通達には同様の記載がない。州内の移動に関する制限が全て撤廃されたことを踏まえると、不明瞭だった「遠出(の買い物など)」も認められることになる。しかし、これまでは、新たな通達の発表後、特に移動の距離基準に関しては、警察の不明瞭な運用もあいまって、現場ではさまざまな混乱が生じてきただけに、今回の緩和措置後の運用や修正にも留意を要する。
(比佐建二郎)
(インド)
ビジネス短信 f640215c59969d92