2021年7月から出産時の父親休暇日数が現行の2倍の28日に

(フランス)

パリ発

2020年09月28日

フランスのマクロン大統領は9月23日、出産時の父親の休暇日数を、2021年7月から現行の2倍の28日とし、そのうち7日間の取得を義務付けると発表した。

フランスにおける出産・育児休暇は、母親の出産前後の出産休暇(第1、2子は16週間、第3子は26週間)、出産時の「父親休暇」、子供が3歳までの育児休暇(2014年8月8日記事参照)がある。

現行、父親(注)は出産時に11日間の「父親休暇」に3日間の法定休暇を加えた最長14日間の休暇を取得できるが、2021年7月からは、25日間の「父親休暇」に3日間の法定休暇を加えた最長28日間の休暇取得が可能となる。父親休暇中は、一定の条件を満たす場合は手当が支給される。「レゼコー」紙によると、このための予算は現在の2億6,000万ユーロから、2021年は5億2,000万ユーロ、2022年には7億8,000万ユーロに達する見込みだ。

フランスにおける「父親休暇制度」は、出産が女性のキャリアを阻む要因として、職業上の男女平等、父親の育児への関与、家事の分担などの社会的課題に応えるため、2002年から導入された。今回の改正の発表は、マクロン大統領が2019年に立ち上げた育児に関する専門委員会「最初の1,000日」が9月8日に提出した報告書の提言を受けたことによるもの。最初の1,000日が子供の適切な発育と形成にとって不可欠な期間で、生涯を通じて個人の健康と幸福を方向付けるとして、それを考慮した施策を提案する報告書を専門委員会に付託していた。

マクロン大統領は、同改正を「社会的な前進で、男女間の平等のために新たな一歩」と述べた。同改正に伴う予算措置は、2021年の社会保障予算法案に盛り込まれる予定。

(注)事実婚でも同性のパートナーでも権利を有する。

(奥山直子)

(フランス)

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