キントー、EPA活用により高い関税削減効果を実感
(EU、オーストラリア、日本)
欧州ロシアCIS課
2020年09月23日
1972年に創業したキントー(所在地:滋賀県)は、テーブルウェア、キッチン・インテリア雑貨の企画開発、販売などを行っている。欧州、中国、韓国を中心に、米国やオーストラリアなど27カ国・地域に輸出している。海外売上高は全体の3割以上を占める。
ジェトロは2020年9月11日、経営企画部の福井靖部長および海外事業部の船橋嘉子マネージャーに、経済連携協定(EPA)の利用状況や成果について聞いた。概要は以下のとおり。
キントーは現状、EUおよびオーストラリア向け輸出でEPAを活用している。欧州では、2016年に販路を拡大するため、オランダに販売子会社を設立した。しかし、EUの関税率は5~12%と高く、子会社の負担が大きいのが頭痛の種だった。その後、日EU・EPAの特恵関税により関税が撤廃されることが分かったため、2019年2月の発効後、速やかに利用を開始したという。日豪EPAについては2018年ごろ、現地の顧客からの要望に応じるかたちで利用を開始した。
EPAの活用に当たっては、輸出業務を担当する3人ほどで原産地証明に必要な書類の作成を行っている。作成に当たり、同社は常日頃から効率的な運用を心掛けている。例えば、日EU・EPAを利用する際に必要な自己証明(自己申告)書類の作成に当たっては、社内で統一したフォーマットを繰り返し使うことで、作成にかかる手間を削減している。
福井部長は「日EU・EPAの活用を通じて、在オランダの販売子会社の経費削減につながった」と、関税削減効果を実感している。今後、他国・地域へ輸出する際にも積極的にEPAを活用する予定だという。
(宮下恵輔)
(EU、オーストラリア、日本)
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