感染状況が改善、外出規制対象地域縮小と日曜終日戒厳令の緩和を発表

(ペルー)

リマ発

2020年09月23日

ペルーのマルティン・ビスカラ大統領は、9月16日に全閣僚とともに、全国の州知事や市長を対象とした会合の場で、新型コロナウイルスによる感染者数、入院患者数、死者数、それぞれが減少傾向にあると発表した。特に直近1カ月(8月16日から9月15日にかけて)は、全国の利用可能な入院病床数が85%増加し、死者数も1週間の累計数でピークの6,818人(8月2日の週)から4,009人(9月6日の週)まで減少している。その結果として、ビスカラ大統領は同会合で、外出規制の対象を18州79県(2020年9月1日記事参照)から16州58県〔日曜終日外出規制については59県(添付資料表参照)〕に減らす大統領令第151-2020-PCM号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布することを発表した。また、同令により、9月20日から規制対象地域以外については、日曜日の終日戒厳令を廃止し、自動車以外での外出が認められることになった。加えて、9月21日からは、規制対象地域以外での夜間強制外出禁止令(戒厳令)を午後11時から翌日午前4時に変更し、1時間短縮することとした。

大統領罷免決議動議に非難の声

9月10日に議会にエドガル・アラルコン議員(現議会監査委員長)によるビスカラ大統領の偽証疑惑テープ(注)が提出され、9月11日にビスカラ大統領の罷免決議動議(9月18日投票)が採択された。しかし、16日の同会合に参加した全国都市部農村部市町村ネットワーク(REMURPE)会長でカハマルカ市長のアンドレス・ビジャル氏と、全国市町村協会(AMPE)会長でリマ市のラ・モリーナ地区長のアルバロ・パス氏の2人から、罷免動議を強く非難し、新型コロナ対策のために国の団結を呼び掛けるスピーチがあった。これに対して、ビスカラ大統領からはあらためて地方分権を進める決意のほか、支援に対する感謝と、任期最後まで力を尽くす決意表明が成された。

(注)文化省の顧問として、政府が契約したリチャード・シスネーロス氏とビスカラ大統領の癒着疑惑について、大統領側は本人とは面識があるが会議の場を設けたことはないと証言した一方で、本件に関する大統領府内での議会監査委員会に対する発表内容の打ち合わせを録音したテープが提出され、大統領に対する信用疑惑が浮上している問題。

(設楽隆裕)

(ペルー)

ビジネス短信 09a70b0555a80754