マハーラーシュトラ州が新ガイドラインを発表、ムンバイでもモール再開へ

(インド)

ムンバイ発

2020年08月07日

マハーラーシュトラ(MH)州は7月29日、中央政府の段階的ロックダウン解除(Unlock3.0)発表を受け、州独自のガイドライン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。これまでMH州はロックダウン解除に対し、非常に厳しい運用をしてきたが、新ガイドラインではショッピングモールの部分的営業再開が認められるなど、大幅な緩和となった。

MH州は感染の多い都市部とその他の地域に分けて緩和内容を制定してきた。衛星都市を含むムンバイ都市圏、プネ市、オーランガバード、ナシックなどが厳しい制限地域だったが、今回のガイドラインでは、これらの主要都市圏でもモールの営業再開、ゴルフやテニスといった屋外での個人スポーツ活動が認められ、車両の乗員制限も緩和される。

モールなどの大型商業施設は、自治体が定める新型コロナウイルス対策の標準作業手順(SOP)の順守を条件に、8月5日より午前9時から午後7時までの営業が認められる。しかし、モール内の映画館、フードコート、レストランは引き続き営業停止となっている。なお、現地報道によると、ムンバイ都市圏で感染拡大が著しいタネ市などは、モールの営業再開を見送っている(「タイムズ・オブ・インディア」紙8月1日)。

他方、民間事業所(オフィス)への出勤制限は、引き続き10人あるいは人員の10%の多い方と従来のままで緩和されなかった。

今回の緩和を受け、下着販売のワコールは、入店人数を最大3人とし、既に営業を再開している他州の店舗やムンバイの路面店での事例を活用。SOPを順守した上で、ムンバイ市内のモール内店舗の営業を再開する予定だ。一方、ムンバイ近郊のモールでアミューズメント施設を2店舗運営するバンダイナムコは、娯楽施設の営業再開が認められていないため、引き続き再開が見送られている。

大幅な緩和策が明示された一方、その運用には不透明な部分も残る。州政府やムンバイ市の通達では、出勤や通院を除く不要不急の外出は「近所に制限」と規定されているためだ。6月末にもムンバイ警察が「不要不急の外出は自宅から2キロメートル以内」というガイドラインを設定し、違反車両を取り締まるなど混乱が生じていた(2020年7月7日記事参照)。現在このガイドラインは緩和されているとみられるが、明確な解除の通達は出ていない。それだけに、今回のガイドラインについても、州政府らが発出する通達などを注視することが求められる。

(比佐建二郎)

(インド)

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