モスクワ市、7月13日から大部分の行動制限を撤廃へ

(ロシア)

モスクワ発

2020年07月13日

モスクワ市で、7月13日から大部分の行動制限が撤廃される。6月8日付市長令第68-UM号(2020年6月11日記事参照)の改正によるもの。市内の新型コロナウイルス感染者数の減少傾向が続いていることが背景にある。セルゲイ・ソビャニン市長は7月9日付の自身のブログの中で、「5月初旬の感染最盛期に比べ(1日当たりの)感染者数は10分の1となり、対応病床数にも相当の余裕が生まれている」と、規制緩和に踏み出す理由を説明した。

7月13日と8月1日から制限が撤廃される対象は添付資料表のとおり。3,000人以上の観客を収容する施設でのイベント(演劇やコンサート)や屋外での大規模イベントは引き続き禁止となる。路上でのマスク着用義務も撤廃(推奨措置となり、過料処分の対象外となる)されるが、商店などへの入店やタクシーを含む公共交通機関利用時のマスクと手袋着用義務は継続する。

ロシアの新型コロナウイルス感染者数は5月初旬をピークに一貫して低下している。特に、モスクワ市ではその傾向が顕著で、6月以降、市民の行動制限措置や商業活動規制を段階的に撤廃してきた。7月に入って同市の感染者数の減少は鈍化傾向にあるが、9日には約3カ月ぶりに1日当たりの新規感染者数が600人を下回った。

モスクワ市以外でも、一部地域を除き、6月後半から全体的には減少基調に転じた。ただし、7月に入り観光シーズンが本格化(注)したことから、黒海沿岸やバイカル湖など観光地周辺地域では新規感染者数の減少幅が小さくなっているほか、サンクトペテルブルク市では7月以降、微増傾向となっており、引き続き注意が必要だ。

(注)ロシアでは例年、夏はトルコやエジプト、欧州に旅行に出る市民が多い。2020年は新型コロナウイルス感染症拡大により国外旅行ができないため、観光は国内主要観光地に集中している。

(梅津哲也)

(ロシア)

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