バリ島観光再開、7月31日から

(インドネシア)

ジャカルタ発

2020年07月29日

バリ州のワヤン・コステル知事は7月22日、インドネシア政府が開催したウェビナーにて、バリ島の観光を順次再開する計画を発表した。同州のウェブページによると、まず国内旅行者の受け入れを7月31日から再開し、その後、9月11日以降は海外からの旅行者の受け入れを開始する見込みだ。バリ州統計庁のデータによると、同州の1~3月の経済成長率は、マイナス7.7%と大きな打撃を受けていた。さらに4月からの入国規制の強化に伴い、5月にバリを訪れた海外旅行者の数はわずか36人にとどまり、前年同期の48万3,900人から激減している。こうした状況から、早期に観光を再開することで、これ以上の経済悪化を避ける狙いがあると考えられる。

コステル知事によると、観光客の受け入れ再開にあたり、観光地やホテル、飲食店などの経営者および従業員に対しては、保健衛生上のプロトコル順守を義務付け、新型コロナウイルスの感染拡大を防止する。7月8日に発布されたバリ州知事回状2020年第3355号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)では、観光地では、観光客に対して、施設の入口で体温検査を実施し、37.3度を超える場合は受け入れず、健康診断を行うことが規定されている。また各種支払いにあたり、非現金決済に対応する。さらにホテルのスタッフやレストランの調理人については、事前に迅速抗体検査の受診が義務付けられている。

ルフット・パンジャイタン海洋・投資担当調整相は、7月26日付の「ジャカルタ・ポスト」紙にて、今後はバリ島のほかにも徐々に観光地を再開すると述べた。また、同相は、観光地の旅行者が平時に戻るまでは1年程度必要との見解を示している。今回の方針については、徐々に観光地を再開することで乗客の減少が深刻な航空産業の支援も図る狙いがあると考えられる。

現在、インドネシアの入国規制では滞在許可を保有している外国人を除く入国が原則として禁止されている(2020年4月6日記事参照)。また、国内旅行についても、移動開始の14日前までに発行されたPCR検査の陰性証明書などの書類が必要だ。

7月26日時点で、バリ州の1日当たりの新型コロナウイルス感染症の陽性者数は43人、累積感染者数は3,147人となっている。

(山城武伸)

(インドネシア)

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