マスク着用義務を条件付きで解除、店舗など入場人数制限の撤廃も

(ポーランド)

ワルシャワ発

2020年06月01日

ポーランド政府は5月27日、新型コロナウイルス感染拡大に伴って導入していた各種規制をさらに緩和する措置を発表した。今回の緩和は4月16日に発表した4段階から成る規制緩和(2020年4月21日記事参照)の第4段階に当たる。緩和された主な内容は以下のとおり。

【5月30日より実施】

  • 屋外ではマスクなどで口と鼻を覆う必要がなくなる。ただし、商店や教会、バス、トラムなどの中、屋外であっても対人距離を2メートル以上取ることができない場合は、マスクを着用する必要あり。
  • 飲食店を含めた各種店舗や市場、郵便局などでの入場人数制限を撤廃。店内では手の消毒やマスクの着用が必要。飲食店ではテーブル同士の間隔を2メートル以上確保する必要あり。
  • 屋外での150人以下の集会やコンサートの実施が可能に。ただし、参加者はマスクを着用するか2メートル以上の対人距離を確保する必要あり。
  • ホテルの営業を完全に再開。ただし、ホテル内のレストランやバーは5月30日から再開されるが、ホテル付属のスポーツジムやプールの再開は6月6日から。

【6月6日より実施】

  • 感染予防のための衛生状態を確保した上で、映画館や劇場などの文化施設、ジムなどのスポーツ施設、遊園地などを再開。なお、屋外のジムや遊び場は5月30日から利用可能。

マテウシュ・モラビエツキ首相は記者会見で、ポーランドの新型コロナウイルスの100万人当たりの死者は、ドイツの4分の1の27人とし、ポーランドは新型コロナウイルスに効果的に対応できているとした。5月31日午前10時時点のポーランド全体の感染者は2万3,786人、死者は1,064人。地域別にみると、最も多いのが南部のシロンスク県(感染者数8,252人、死者208人)で、以下、ワルシャワ市のあるマゾビエツキ県(3,581人、264人)、南西部のドルノシロンスク県(2,594人、104人)と続く。

政府は各種緩和を進める一方、国境管理措置などは依然として行っている。5月21日には国際旅客機のポーランド国内の空港への着陸禁止措置の期限を6月6日まで延長することを発表した。なお、LOTポーランド航空は6月1日から国内線の運航を再開するとした一方、6月14日まで国際線の運休延長を発表している。

(楢橋広基、ニーナ・ルッベ・ルビニスカ)

(ポーランド)

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