コロナ接触追跡アプリの運用開始、実効性に注目

(イタリア)

ミラノ発

2020年06月05日

イタリア政府は6月3日、新型コロナウイルスの接触追跡アプリについての詳細を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。アプリは「インムーニ」(Immuni)と名付けられ、さまざまな社会活動を再開していく段階において、感染拡大の防止および安全性を高めるための技術的手段として位置づけられている。

地域の保健機関は、新たな陽性患者を確認した際、本人の同意を得たのちにシステムにコードを入力。すると、当該陽性患者と濃厚接触をしたとされるユーザーに対して、感染しているリスクがある可能性がある旨の通知がアプリ上で送られる。通知を受けたユーザーは医師に連絡を取り、取るべき適切な処置についての指示を仰ぐことが可能となる。

アプリのダウンロードは任意で、利用にあたっては居住する州および県のみ入力する。氏名、生年月日、住所などの個人情報は不要。なお、本アプリはBluetooth Low Energyという技術を用いたもので、ユーザーの個人情報や位置情報を取得することなく機能する。よって、接触が発生したことを検知することは可能だが、実際に誰が接触したのか、あるいはどこで接触したのかは特定できない仕組みだ。

アプリは、App StoreおよびGoogle Playから無料でダウンロードできる。6月1日からダウンロード可能となっているが、現在は試験期間で、6月8日からアブルッツォ、リグーリア、マルケ、プーリャの4つの州で通知機能の運用が始まる。その後、イタリア全土に拡大される予定だ。

イタリアでは、5月18日に州内の移動が解禁、小売店、飲食店なども営業再開が許可され、社会生活の再稼働へかじを切った。6月3日からは州を越える移動も解禁したほか、EU、シェンゲン加盟国などからの受け入れも自由化し、ヒトの動きもより一層活発化する見込みだ。感染拡大第2波への懸念が残る中、本アプリの実効性に注目が集まる。

(山崎杏奈)

(イタリア)

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