経済再生対策本部を設立し経済回復の加速化図る、非常事態宣言は6月18日に終了
(ハンガリー)
ブダペスト発
2020年06月29日
ハンガリーでは、新型コロナウイルス感染者の増加を受けて3月以降、非常事態宣言を発出していたが、ハンガリー議会(国会)は6月16日、第1波の沈静化により、98日間におよんだ非常事態宣言の終了に関する法案を可決し成立させた。同法はアーデル・ヤーノシュ大統領の署名によって18日午前0時に発効し、無期限の設定だった非常事態宣言は終了した。これにより、65歳以上の買い物時間制限は撤廃され、映画館や劇場の営業、屋内外の500人までのイベント開催も可能となった。ただし、店舗内と公共交通機関でのマスク着用義務(6歳以上)は継続し、ソーシャルディスタンスを取ることも推奨している。これらの防疫措置は3カ月ごとに見直し、6カ月継続する見込み。
グヤーシュ・ゲルゲイ首相府長官は非常事態宣言終了に関する法案とともに、「コロナ防疫に関する法案」も議会に提出し、議会は同じく16日に可決した。同法では、非常事態宣言以降に制定された法律のうち、12月31日までのローン、リース料支払いの一時停止(法人・個人とも)や一部法人税の申告期限の延長などは継続することとした。今後のコロナウイルスの感染状況や医療現場の状況によっては、健康に関する緊急事態宣言の発令を可能としている。
入国制限の見直しも
また、ハンガリー政府は24日に経済再生対策本部を設立し、オルバーン・ビクトル首相はバルガ・ミハーイ財務相を本部長に指名した。対策本部のメンバーは首相府や技術・革新省、投資促進庁(HIPA)、租税当局、観光促進庁などで、投資分野の規制緩和や行政手続き簡素化による経済再生の加速を図る。
ハンガリー国民は6月18日以降、EUおよびEFTA加盟国、セルビアから帰国する際の自己隔離義務が撤廃され、これらの国民もハンガリー国内に自由に入国できるようになった。英国については2国間で協議中だ。
日本人のハンガリー入国には、5月14日発効の入国制限緩和(商用目的のみ入国可能)が引き続き適用される(2020年5月15日記事参照)。例外として、ハンガリー人の親または配偶者がいる場合や大学受験などの理由でも入国可能。この場合、事前に国家警察の許可を得る必要がある。申請は国家警察のサイトからの電子申請(ハンガリー語)のみ。申請から許可が出るまでの期間は1~7日程度。
在日ハンガリー大使館領事部によると、日本人がEUやEFTA加盟国を含む第三国経由でハンガリーに入国する場合についても、上述の制限が適用されるとして、注意を促している(EU、EFTA加盟国の滞在許可証があっても自由にハンガリーに入国できない)。
(奥村明子)
(ハンガリー)
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