新型コロナウイルス下で小型調理家電が好調

(中国)

上海発

2020年05月08日

中国電子信息産業発展研究院の4月27日の発表によると、2020年1~3月の中国家電製品の小売総額は前年比35.8%減の1,204億元(約1兆9,264円、1元=約16円)となった。新型コロナウイルスの影響で販売店が十分に販促活動できず、消費者の販売店への足が遠のいたことが影響している。

業界全体が失速する中、一部の小型調理家電は好調ぶりをみせている。ビッグデータ分析大手の奧維クラウドによると、2020年第1~11週(1月1日から3月17日まで)における、炊飯器・電子レンジなど小型調理家電の販売額は前年同期比で増加している。特に、フライヤーは約2倍、オーブンは82.1%増と好調だった。家電大手の新宝電器の関係者は「新型コロナウイルスの影響で飲食店が休業し、自炊する人が増えたことが販売増加につながった」とコメントした(「第一財経」4月3日)。

現状、小型調理家電の生産は中国に集中している。欧米における新型コロナウイルスの感染拡大により、こうした小型調理家電へのニーズがさらに高まる可能性がある。

中国家電大手の格蘭仕によると、2020年1~2月の北米向け輸出量は前年同期の約2倍となった。人気商品は自主ブランドとハイエンド商品で、海外からの受注量は16%増だった。また、前出の新宝電気も、2020年3~4月の受注量は前年以上で、5月も注文が多い状態にあるとしている。

輸送ルートの確保が課題

中国機電輸出入商会家電分会の周南秘書長は「欧米で感染が拡大する前、一部の海外バイヤーは製品を追加注文したが、物流がストップした関係で注文を取り消すケースがあった。企業は新型コロナウイルスによる国際物流サービスへの影響を想定した上で対応していく必要がある」と述べた。

(龐婷婷)

(中国)

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