3月の貿易収支は106億豪ドルの黒字、資源輸出が好調

(オーストラリア)

シドニー発

2020年05月11日

オーストラリア統計局(ABS)は5月7日、2020年3月の貿易収支(財・サービス収支)を発表した。3月の貿易黒字は106億200万オーストラリア・ドル(約7,209億3,600万円、豪ドル、1豪ドル=約68円)となり、前月比2.7倍と大幅に増加した。新型コロナウイルスによって観光業が大きく影響を受けていることから、サービス収支が悪化したものの、資源や非貨幣用金の好調な輸出によって黒字幅が増大した。

2020年第1四半期(1~3月)の財の輸出(非貨幣用金を含む)は、前期比0.3%増の957億4,500万豪ドルとなった(添付資料表1参照)。品目別にみると、1~2月における中国への鉄鉱石輸出が減少したことなどから、鉄鉱石・鉱物は2.8%減となった。また、機械(3.5%減)、輸送機器(0.4%減)なども減少したが、金属(非貨幣用金を除く)(5.8%増)、燃料(3.9%増)、石炭(2.2%増)などの増加が相殺するかたちとなった。

一方、財の輸入は、前期比5.9%減の763億600万豪ドルとなった(添付資料表2参照)。品目別にみると、ほぼ全ての品目で減少がみられ、消費財(4.5%減)では特に衣類・履物(12.5%減)が大きく減少したほか、資本財(11.0%減)では民間航空機・関連機器(24.2%減)が、中間財・その他(6.7%減)では燃料・潤滑油(13.9%減)が大きく落ち込んだ。

インドネシアとの包括的経済連携協定が発効

サイモン・バーミンガム貿易・観光・投資相は5月7日、インドネシア・オーストラリア包括的経済連携協定(IA-CEPA)について、インドネシア側の批准手続きが完了したとの正式な通知を受け取った、と発表した。オーストラリア側は既に批准を済ませており、これによってIA-CEPAは7月5日に発効する。バーミンガム貿易・観光・投資相は「新型コロナウイルスによって大きな影響を受ける中、IA-CEPAの発効は、オーストラリアの輸出業者の選択肢を拡大し、競争力を与える」と、その重要性を強調した。

(住裕美)

(オーストラリア)

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