中銀、新型コロナウイルスで打撃受けた中小企業・個人支援パッケージ発表

(シンガポール)

シンガポール発

2020年04月01日

シンガポール通貨金融庁(MAS、中央銀行に相当)は3月31日、シンガポール銀行協会(ABS)と生命保険協会(LIA)、損害保険協会(GIA)、シンガポール金融会社協会(FHAS)と共同で、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた中小企業や個人の資金繰りの負担軽減のための支援パッケージを発表した。

支援策は主に、中小企業や個人の融資返済の猶予や金利負担の軽減などを柱にしたもの。発表によると、中小企業は、(1)融資の元本返済の猶予(2020年12月末まで)、(2)新規融資の金利の低減、(3)損害保険の手数料支払いの分割払いを申請できる。また、個人については、(1)住宅ローンの返済猶予(2020年12月末まで)、(2)個人向け無担保借り入れの金利低減、(3)生命保険の手数料返済猶予(最大6カ月)、(4)車や住居向けの損害保険の手数料支払いの分割払いの申請ができるようになる。支援策の条件などの詳細は同庁のホームページPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)参照。

シンガポールのGDP成長率は2020年第1四半期(1~3月)に速報値で、前期比年率10.6%減と2桁減となり(2020年3月26日記事参照)、新型コロナウイルス感染拡大の影響で外需が急減し、サプライチェーンへの打撃や個人消費の落ち込みなど国内経済が大きく縮小している。MASは今回の発表の中で、「シンガポール経済が2020年上半期以降も引き続き弱含み」との見通しを示した。同庁が今回発表した支援策は、政府が2月と3月に発表した経済支援パッケージを補完するものとなる。

同国で3月31日までに確認された新型コロナウイルスの感染者は累計で926人(うち、240人が回復、22人が重篤者、3人が死亡)となった。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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