新型コロナウイルス対策でマスクなど医療品の輸出を一時的に禁止

(ロシア)

モスクワ発

2020年03月06日

世界的な新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、ロシアのミハイル・ミシュスチン首相は3月2日、人命と健康の保護を目的として、マスクや医療現場で用いる防護服、ゴム手袋、抗ウイルス剤などの製品の輸出を6月1日まで一時的に禁止する連邦政府決定PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に署名し、即日発効した(2020年3月2日付連邦政府決定第223号)。

対象となる製品は表のとおり。政府決定に基づく国際人道支援目的の輸出や、個人利用の使い捨て製品の個人による輸出は対象外。今回の政府決定導入時に通関手続き中の製品は輸出禁止の対象となる。

表 ロシア連邦からの輸出が一時的に禁止される製品のリスト

経済発展省はユーラシア経済委員会に対し、この輸出禁止措置を通知し、ユーラシア経済連合域内でも同様の措置を導入するよう申し入れている。輸出禁止措置の執行状況は産業商務省がモニタリングする。

デニス・マントゥロフ産業商務相は3月4日、感染不安による買いだめなどで生じる医療物資の「人工的な不足」を防ぐ目的で輸出禁止を導入したと説明した。また、連邦政府決定はユーラシア経済連合条約とロシア連邦が批准する他の国際条約の規定に沿うものと述べた(産業商務省発表3月4日)。

なお、産業商務省によると、ロシア国内では現在1日当たり約150万枚のマスクが生産されている。

(戎佑一郎)

(ロシア)

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