2019年10月~2020年1月の外国直接投資認可額が66.7%増と堅調

(ミャンマー)

ヤンゴン発

2020年03月13日

投資企業管理局(DICA)が公表した統計によると、ミャンマーの2019年10月~2020年1月(注)の外国直接投資認可額〔ティラワ経済特区(SEZ)除く〕は20億8,992万ドルで、前年同期比66.7%の増加となった。外国投資はこれまでのところ、順調に流入している。

業種別の認可額上位をみると、電力が10億2,644万ドル(前年同期は認可案件なし)、不動産開発が6億196万ドル(前年同期比11.1倍)、製造業が2億5,326万ドル(29.0%減)となった。電力では、中国、香港企業による複数の発電所案件が認可されている。製造業への投資は、金額ベースでは減少したが、件数ベースでみると65件から86件に増加しており、中国や香港の縫製業が中国本土での人件費上昇や米中貿易摩擦を背景にミャンマーへの生産移管を加速させる動きが鮮明になっている。

国・地域別では、香港が11億5,031万ドル、シンガポールが5億1,347万ドル、中国2億4,892万ドルとなっており、この3カ国で投資認可額全体の92%を占めた。日本からの投資はティラワSEZへの投資や第三国経由の投資を含めても1件のみだった。これは愛媛日産と現地企業による合弁事業で、自動車整備と板金塗装に加え、人材育成を目的とした研修センターの運営も行うものだ。

感染者はいないものの、新型コロナウイルスが与える経済的打撃は大きい

全世界で猛威を振るっている新型コロナウイルスによって、ミャンマーでもさまざまな影響が出てきており、今後の見通しが不透明な状況だ。ミャンマーでは感染者が出ていない状況(3月6日時点)だが、経済面では縫製業で原材料調達が困難になってきていることや、観光客数の減少によるホテル・観光業への打撃、農産物の輸出停滞など、他国と同じような影響がみられる。ここ数年は好調だった外国直接投資も、今後は影響が及ぶことが避けられず、しばらくは投資の減退が予想される。

(注)ミャンマーの財政年度は10月~9月の1年間。

(田原隆秀)

(ミャンマー)

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