トヨタ・プジョー・シトロエン・オートモビル・チェコ、生産休止を決定

(チェコ)

プラハ発

2020年03月19日

トヨタ自動車とグループPSA(フランス)との合弁会社で、チェコ国内で小型乗用車を製造しているトヨタ・プジョー・シトロエン・オートモビル・チェコ(TPCA)は、3月18日、欧州内における新型コロナウイルスの感染拡大状況、およびその同社生産への影響を鑑み、3月19日より生産を停止する旨を発表した。

これは新型コロナウイルス対策として、従業員や関係者の安全確保、欧州各国・地域が導入した封鎖措置による短期的な販売見通しの不透明さ、また物流およびサプライ・チェーンへの影響に鑑み、ベルギーのトヨタ欧州本社であるトヨタ・モーター・ヨーロッパ(TME)が発表した生産工場の停止計画に基づくものである。

18日、TPCAの青木是篤社長は、今回の生産休止について、「新型コロナウイルス感染拡大対策として導入されている国境での検査による渋滞などにより物流が滞っていること、欧州各地でのディーラー休業による需給調整、従業員の感染リスクの低減、学校閉鎖などによる従業員への影響など、様々な要因を総合的に考慮した結果決定されたこと」と述べている。

TPCAは2005年2月から、トヨタ「アイゴ」、プジョー「108」、シトロエン「C1」の3種類の小型車の生産を行っている。同社は部品の80%をチェコから調達、また出荷先はフランス、英国、イタリア、ドイツなどの西欧諸国となっている。

2021年1月からはTMEの完全子会社となる予定で(2018年12月5日記事参照)、また2020年の1月14日には、同工場内でトヨタ「ヤリス」のガソリン版およびハイブリッド版の製造を開始することが発表されている。新型車生産準備作業のため、同社では、もともと4月6日から17日まで、生産ラインを停止する予定だったと報じられており、今回、新型コロナウイルスの影響により生産休止開始が前倒しされた格好だ。

(中川圭子、木村玲子)

(チェコ)

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