トルドー・カナダ首相、米国民以外の外国人の入国制限措置を発表

(カナダ)

トロント発

2020年03月18日

カナダ国内での新型コロナウイルス感染拡大を受け、トルドー首相は3月16日、カナダ国民、永住者以外の入国を制限する措置を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ただし、カナダ国民の親族および米国民、外交官、航空機乗務員、第三国への乗り継ぎ客を除くとした。また、新型コロナウイルスの症状がみられる者の入国は認めないとし、海外で感染したカナダ国民を支援するために、政府は新型コロナウイルスの緊急融資プログラムを設立し、帰国までの費用を支援する用意があるとした。

さらに、入国者への検査体制を強化するため、米国やメキシコ・カリブ海諸国などの避暑地からを除く国際便の到着については3月18日付で、モントリオール、トロント、カルガリー、バンクーバーの4空港に限定すると発表した。

なお、カナダ国内のサプライチェーンを維持するため、本制限措置は交易には適用されないとした。

カナダ国境サービス庁(CBSA)は16日から全ての入国者に対し、せきや息苦しさ、発熱などの症状が現れていないかを確認し、14日間の自主隔離に同意を求めるとした。

記者会見では、米国民が措置の対象とならないことに対する質問が相次いだが、トルドー首相は米国経済との統合や米国とのこれまでの協調を考慮し、米国は他国とは分けていると回答し、フリーランド副首相も国境を米国民に開いたままにするという決定は、2つの経済と住民の統合を反映し、食料などの不可欠な供給ラインを維持するために行われたと述べた。

なお、カナダ政府によると、3月16日18時時点での国内感染者数は424人、死者は4人となっている。

(飯田洋子)

(カナダ)

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