25省・市・自治区が緊急対応レベル引き下げ、学校を順次再開する地域も

(中国)

北京発

2020年03月18日

新型コロナウイルスの累計感染者は、中国全土で8万860人(3月16日午前0時時点、以下同)、うち現在の感染者数は9,898人となった。湖北省の感染者は6万7,798人、湖北省以外の地域の1日当たりの新規感染者増加数は12人となった。海外から流入した感染者数は累計123人となっている。中国国家衛生健康委員会の報道官は3月12日の記者会見で、新型コロナウイルス感染症で新たに確認される感染者数が減り続けていることから、「中国での流行のピークは過ぎた」と明言した。

中国の多くの地域では、「重大突発公共衛生事件」レベルを「1級事件」(特に重大)から引き下げる動きがみられる。2月21日以降、3月16日までに湖北省、北京市、上海市、天津市、河北省、河南省を除く25の省・市・自治区で緊急対応レベルを2級(重大)以下に引き下げることが発表されている(表参照)。レベルは、新型コロナウイルスの流行後、1月29日から中国全土で1級に引き上げられていた。

「国家突発公共事件総合緊急対応マニュアル」によると、疫病など公共衛生に関する突発事件について、1級、2級、3級(比較的重大)、4級(一般)の4段階に分類しており、1級は国務院の決定と指揮に基づいて対策を取るとされており、2級は省レベルで対策を指揮できる。

表 「重大突発公共衛生事件」の緊急対応レベルの引き下げ(3月16日時点)

学校についても一部の地域で再開の動きがみられる。青海省では、高校と中等専門学校は3月9日から3月13日まで、中学校は3月16日から3月20日までの間で順次再開するとしている。貴州省と新疆ウイグル自治区では高校3年生と中学校3年生については3月16日に再開すると発表した。チベット自治区では3月下旬に各種の学校が再開する予定となっている。

一方、幼稚園、小学校、大学などの再開時期は明確になっていない。教育部新型コロナウイルス感染対策チーム弁公室の王登輝主任は取材に対して、「新型コロナウイルス感染が基本的に抑制でき、学校が感染の予防・抑制に備え、教師と学生およびキャンパスの公衆衛生が確保できたといった3つの要件がそろわないと、学校の再開はない」と述べた(「中国教育報」3月10日)。また、教育部は3月12日、幼稚園、小中高校における新型コロナウイルス感染の予防抑制マニュアルを発表し、学校の再開に向けた準備を進めている。

(張敏)

(中国)

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