新型コロナウイルスに関する交通規制、江蘇省では再度厳格化の動きも

(中国)

上海発

2020年03月09日

新型コロナウイルスの感染拡大について、中国の華東地域では落ち着きを見せ始めている。上海市では「重大突発公共衛生事件」のレベルを「1級事件」(特に重大)に維持しているが、江蘇省は2月25日午前0時から、安徽省は2月25日正午から、浙江省は3月2日に「1級事件」から「2級事件」(重大)に引き下げた。

2月23日に江蘇省交通運輸庁は「交通円滑化の保障と運輸サービスのレベルアップの実施に関する通知」を発表し、省内全ての高速道路にあった検査ステーションを撤去するなど、人と物の移動制限を撤廃する動きを見せた。企業の操業再開が進むにつれ、道路交通量も徐々に回復しており、江蘇省では3月1日の省内高速道路の通行量は155万5,400台と前年同期の76.2%の水準まで回復し、トラックも35万8,500台と全体の23%を占めた。

一方で、江蘇省は3月2日、省内の高速道路と一般国道・省道の沿線に計30カ所の検疫ステーションを設け、6つの高速道路の出入り口を閉鎖すると発表した。企業の操業再開のタイミングが感染拡大予防・抑制の最も重要な時期とする認識に基づき、当該措置の実施を求める南京市、蘇州市、南通市、淮安市、揚州市の5市の申請を省政府が承認したものとされる。

江蘇省全体では2月19日から3月4日まで15日間連続で新規感染者数がゼロとなった。当該措置を申請した上記5市のうち、南通市と揚州市では全感染者が既に回復・退院し、現在の患者数もゼロとなるなど状況が改善する中、感染拡大防止を強化する新たな措置が取られている点には今後も注意が必要だ。

(高橋大輔)

(中国)

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