ボルソナーロ大統領米国公式訪問一行の新型コロナ感染者は12人に

(ブラジル、米国)

サンパウロ発

2020年03月18日

当地報道によると、政府専用機で3月7~10日に米国フロリダ州を公式訪問したボルソナーロ大統領一行のうち、新型コロナウイルスの感染者は3月16日現在、12人に上ることが明らかになった。新型コロナウイルスの感染者12人は次のとおり。

マルコス・トロジョ経済省貿易国際問題特別局長、ホブソン・アンドラージ全国工業連盟(CNI)会長、ネルシーニョ・トラジ上院議員(マトグロッソ・ド・スル選出)、ネストル・フォルステル駐米ブラジル大使、ファビオ・ワジンガルテン大統領広報局長、サミー・リベルマン同局次官、セルジオ・リマ氏(ボルソナーロ出身政党ブラジル同盟広報責任者)、カリーナ・クファ氏(ボルソナーロ大統領顧問弁護士、ブラジル同盟財務責任者)、大統領府警備室スタッフ4人。

大統領一行に感染が拡大した問題は、3月12日のブラジル政府発表で明らかになった。最初にワジンガルテン大統領府広報局長の感染が確認され、それを受けボルソナーロ大統領と同行者すべてに14日間の隔離と健康状態の定期検査措置が採られ、検体採取によるPCR検査が行われた。

ボルソナーロ大統領ほか主要閣僚らは3月7日、トランプ大統領とフロリダ州パームビーチの大統領所有別荘で夕食を交えた会談を行った。最初に感染が確認されたワジンガルテン大統領府広報局長は、記念撮影の際にトランプ大統領の隣に立っていた。その後、トランプ大統領の感染結果は陰性となったが、一行との現地イベントに参加していたフランシス・スアレス・マイアミ市長の感染が確認されている。

ボルソナーロ大統領、ミシェリ大統領夫人、息子のエドアルド・ボルソナーロ連邦下院議員、アラウージョ外務相、シルバ国防相、アルブケルケ鉱業エネルギー相はいずれも1回目の検査結果は陰性となり、2回目の検査結果は3月17日に判明する。ボルソナーロ大統領は1回目検査で陰性となる前に保健大臣と共に新型コロナウイルス感染への備えを訴えるYoutube番組外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに出演。また、立法府や司法府を批判する全国的なデモが発生した3月15日には、保健省の隔離措置を無視して支持者の前に現れ大勢の人と握手や自撮りを行った。これに対し、上下両院連邦議会議長らは「大統領は飛行機のパイロットとして国民の生命や家庭を守るべきで三権対立の混乱を煽るべきではない」などと厳しく批判している。

(大久保敦)

(ブラジル、米国)

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