15日間の国境封鎖と外出禁止令を含む緊急事態宣言を発令

(ペルー)

リマ発

2020年03月18日

マルティン・ビスカラ大統領は3月15日、国民に向けて「全国緊急事態宣言」とその関連措置を記した大統領令(044-2020-PCM号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発令した。発表時点での感染者数が71人(翌3月16日12時時点で86名に増加)に増加していることに触れ、その多くが欧州からの帰国者であると同時に、これら感染者との濃厚接触による国内感染者もいることに言及。その上で、これ以上の感染拡大を防ぐためにも、15日間陸海空の国境封鎖措置と物流以外の国内移動を禁じ、生活必需品(医療、食品、電力、水道、通信、金融、保険)を求めるための外出以外の出勤や不要不急の外出を禁止した。なお、同措置は16日午前0時からの施行予定であったが、その後ビスカラ大統領は3月16日の記者会見の場で、同日は移行期間として移動を認め、実際の取り締まり強化は17日午前0時より開始するとした。なお、外出や移動が認められる事由は以下の通り。

  • 食品の購入、生産、補充と顧客への販売のための保管と流通作業
  • 医薬品の購入、生産、補充作業
  • 医療機関、検査機関、救急医療施設への出勤や受診
  • 水道、衛生、清掃、電気、ガス、燃料供給、通信、ごみ収集、葬儀業務の従事者の通勤
  • 帰宅のための移動
  • 高齢者、幼児、身障者、生活脆弱者に対する補助や介護のための移動
  • 銀行、保険、年金関連機関と付随するサービスの従事者の移動
  • 燃料の生産、保管、運搬、流通と販売作業
  • ホテル、その他宿泊施設従事者(隔離政策の必要性に応じて)
  • 通信会社・関連サービス会社従事者
  • COVID-19対策に従事する公務員
  • 経済財務省が認める産業セクター
  • その他不可抗力による事由

また、前述の生活必需品以外の小売や、余暇施設、文化施設、レストラン、ホテルなどの営業は禁止され、集会やイベントの実施も禁止とされている。一方で、外交官(大使館・領事館)や国際機関代表事務所の駐在員などは今回の移動制限の対象外としている。

一方、ビスカラ大統領は3月16日の記者会見で、南米各国の首脳(アルゼンチン、チリ、コロンビア、エクアドル、パラグアイ、ボリビア(暫定大統領)、ウルグアイ、ブラジル(外務省対応)と電話会談を行い、(1)各国保健省による連携強化、(2)必要な医療機器や医薬品のリスト化と共同購入、(3)各国外務省を通じた国境封鎖政策の情報交換と連携、(4)経済的影響の分析と危機克服後の必要に応じてラテンアメリカ開発銀行や米州開発銀行(IDB)などへの支援要請などについて協議を行ったと報告した。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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