ハンガリーの2019年の新車登録台数は前年比15.6%増
(ハンガリー)
ブダペスト発
2020年02月18日
調査会社データハウスによると、ハンガリーの2019年の新車登録台数は前年比15.6%増の15万7,906台となった(図参照)。2010年からプラス成長が続く。
メーカー別にみると、国内に乗用車の生産拠点を持つスズキは、2万5,766台が新たに登録され、ハンガリーの乗用車市場で16.3%のシェアを獲得している(2020年1月27日記事参照)。フォードはシェア10.0%で2位になり、シュコダ、オペル、トヨタが続いた(表1参照)。
近年、成長が減速していた中古車市場では、2019年の登録台数が15万6,475台と前年比で1.5%減少した。2012年以降で初めて、新車登録台数が中古車登録台数を上回った。中古車登録台数は、フォルクスワーゲンが1万8,444台と最も多く、オペル、フォードが続いた。
ハンガリー自動車輸入協会(MGE)会長のエルデーイ・ペーテル氏は、1月7日の記者会見で、ハンガリーの自動車市場は特に大家族向けの補助金(注1)、および電気自動車(EV)購入向けの補助金(注2)によって後押しされていると述べた。さらに、収入の増加や安定した雇用により、家庭向けの販売割合が増加していることも強調した。
2019年のEVの新車登録台数は、前年比41%増の1,833台となった(表2参照)。ハンガリー自動車関連ウェブサイト「vezess.hu」(1月22日)によると、個人の購入者の主な動機は、環境意識よりも経済合理性だとされている。同記事では、EVの購入の増加を支える3つの重要な要素として、価格の下落やモデルの増加、政府や地方自治体のサポートが挙げられている。EVの購入に対する150万フォリント(約52万5,000円、1フォリント=約0.35円)の政府補助金以外にも、環境にやさしい車には「グリーンナンバープレート」を付けられ、駐車代が無料になる、などのメリットがある。
モデル別にみると、日産のリーフが453台と、EVの新車登録台数のトップになった(表3参照)。以下、356台のフォルクスワーゲンのe-ゴルフ、223台のBMWのi3が続いた。
エルデーイ・ペーテル会長は、2020年の新車登録台数は15万5,000台、うち、プラグインハイブリッドを除く純EVは2,500台に達すると予想していると述べた。
(注1)2019年7月1日から、3人以上の子供を持つ家庭が7人乗り以上の乗用車を購入する場合、最大250万フォリントの補助を受けられる。
(注2)購入額の21%、最大150万フォリントの補助を受けられる。
(バラジ・ラウラ)
(ハンガリー)
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