新型コロナウイルス感染者が急増、イタリア産品の輸出にも影響

(イタリア)

ミラノ発

2020年02月28日

イタリア保健省の2月27日正午(現地時間)の発表によると、イタリアでは新型コロナウイルス感染者が528人(死亡事例:14人)に上っており、そのうち305人が北部のロンバルディア州に集中している。中部のマルケ州や南部のカンパニア州、シチリア州などでも発症例が出始めており、感染が拡大し続けている。

イタリアでの急激な感染拡大を受け、日本の外務省は2月27日(日本時間)、感染症危険情報レベル1(十分注意)を発出した。感染がさらに拡大する恐れがあるため、最新情報を入手して感染予防に努めるよう呼び掛けている。現在のところ、レベル1の対象はイタリア全土ではなく、北部のロンバルディア州(州都:ミラノ)、ベネト州(州都:ベネチア)、エミリア=ロマーニャ州(州都:ボローニャ)の3州だ。

イタリアでは農林水産業にも影響が及び始めている。テレサ・ベッラノーバ農業・食料・森林政策相は、欧州の幾つかの大手流通企業がイタリア産品に対して安全性の保証を要求、それによって「メード・イン・イタリー」の農産品がブロックされるなど、輸出において不当な扱いを受けているとして、ジュゼッペ・コンテ首相とロベルト・スペランツァ保健相に善処を求めた。イタリア産品に対して追加の証明書などを求めることは違法であり、欧州委員会の保健衛生担当委員に問題提起をするよう求めている。ベッラノーバ農業・食料・森林政策相は、イタリア産品の輸出が阻害される状況を避けるべく、あらゆるレベルで対応策を講じているとし、食品や包装を通じてウイルスが媒介されるリスクはないと強調している。

(山崎杏奈)

(イタリア)

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