広東省、飲食店の店内サービス再開に向かうも現場は混乱

(中国)

広州発

2020年02月25日

中国広東省政府は2月20日、「広東省飲食サービス業における新型コロナウイルス肺炎予防・抑止対策の手引き」(以下、手引き)を発表した。IV級予防制御区(注)に分類した県(市、区)では、飲食店内での飲食サービスの提供を許可するとした。

広州市では2月12日から、新型コロナウイルスによる肺炎対策のため、市内全区で飲食店の店内サービス提供が禁止されていた(2020年2月19日記事参照)。

広東省では手引きに基づいて2月20日から、各地に設けている体温計測ポイントを一部撤去したり、条件を満たした車両の検査を免除する「グリーンルート」を設置したりするなど、状況が安定した地域から正常化を進める動きが見え始めている。

再開矢先に突然の業務停止命令を受ける例も

しかし、現場レベルでは依然として混乱が続いている。広州市では2月21日から店内での飲食サービス提供を再開した老舗レストランに対し、管轄の天河区市場監督局が業務停止を命じた。同局の担当者は停止の理由について「現時点で関連の文書を受け取っていないため、2月20日夜にはレストラン側に再開を延期するよう通知していた。行列ができることによる感染リスクを排除するため業務を停止させた」と述べている(「南方網」2月21日)。

広州市の累計感染者は2月25日午前0時時点で346人。湖北省内を除いた地級市レベル(省・直轄市・自治区の下の行政単位)では、浙江省温州市、広東省深セン市に次ぐ多さだが、新規感染者の発生状況は以前と比べて安定しつつある。

(注)広東省政府は2月19日に「広東省の等級・区分による新型コロナウイルスの肺炎予防・抑止への対策手引き(試行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表し、感染者数に基づいて省内の地域をI級、II級、III級、IV級の4等級に区分。等級ごとに交通衛生管理や公共場所活動管理、企業生産経営活動管理などの面で相応の対応策を講じる。2月24日時点でI級の予防制御区に指定した地域はないが、II級が14地域、III級が38地域、IV級が76地域となっている。

(梁梓園、河野円洋)

(中国)

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