「広東・香港・マカオグレーターベイエリアに関する日中意見交換会」を開催

(中国)

広州発

2020年01月24日

ジェトロと在広州日本総領事館、広州日本商工会は12月23日、広東省商務庁をはじめとする政府関係部門との間で、「広東・香港・マカオグレーターベイエリア(以下、ベイエリア)に関する日中意見交換会」を開催した。「広東・香港・マカオグレーターベイエリア発展計画綱要」が2019年2月に発表されてから間もなく1年を迎えるが、意見交換会はベイエリアのビジネス環境の改善や、さらなる規制緩和などについて、日中双方のコミュニケーションを図るべく開催された。

広州日本商工会から企業の代表9人と、石塚英樹総領事、ジェトロ広州の清水顕司所長が出席し、ベイエリアに関する意見や要望を提出。広東省政府からは商務庁と発展改革委員会、科技庁、税務局、市場監督管理局、金融監督管理局などの10人が出席し、回答や政策を紹介した。

写真 意見交換会の様子(ジェトロ撮影)

意見交換会の様子(ジェトロ撮影)

ワンストップボーダーの実現など5項目を要望

日本側から建議事項として(1)ベイエリア内でのワンストップボーダーの実現、(2)金融規制の緩和の推進、(3)香港からベイエリアへの投資優遇のほか、広東省において関心が高い事項として(4)新エネルギー車優遇政策の拡大、(5)危険産業廃棄物の処理施設の増設などの5項目を提言した。

広東省政府は、(1)ワンストップボーダーの実現については、中国、香港、マカオでそれぞれ法律が異なるため、食品などに関するワンストップボーダーには中央政府からの授権が必要となり、直ちに実現することは難しいとしつつも、旅客通関の「一検双放」(注)、港の24時間通関、手続きの簡素化などは深セン、珠海の口岸・港で実行し始めているとした。

(2)金融規制の緩和では、現在は貿易決済に対する期限や限度額の規制はないとの説明があったほか、外貨管理部門からはビジネス環境の整備や、金融サービスの向上を目指すとの回答があった。

(5)危険廃棄物の処理では、広東省の東部、西部、北部と珠江デルタの地域ごとに危険廃棄物処理施設の整備、処理技術の向上を推進していると回答した。

石塚総領事と清水所長は、今回の意見交換会を第1回全体会議として、今後は課題ごとに分科会を設置し、2カ月に1回の頻度で日中双方が議論する場を設けることを提案した。また、半年に1回は全体会議を開催し、分科会での議論内容をフォロアーアップするという双方対話のメカニズムの構築への協力を省政府に求めた。

(注)一検双放とは、旅客に対して1回の検査で、出・入国手続きを完了すること。

(梁梓園)

(中国)

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