IMF、コートジボワール向け融資支援プログラムを延長

(コートジボワール)

アビジャン発

2019年12月13日

IMF理事会は12月6日、コートジボワールに対する拡大信用ファシリティ(ECF)と拡大信用供与措置(EFF)の第6次レビューを完了した。9,678万4,000SDR(IMFの特別引き出し権、約1億3,340万ドル)相当の第6トランシェ(分割融資)の実行と、ECF/EFF支援期間の1年間延長および2億6,690万ドルの追加融資を承認した(IMFプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

ECF/EFFは、2016年12月12日にIMF理事会により承認された3年間のプログラムで、融資額は8億9,670万ドルに上る。今回承認された支援プログラムの期限延長に伴う追加融資により、ECF/EFF枠内での融資額は計11億6,360万ドルとなる。このうち、実行額は今回の承認を含むと、累積で8億9,670万ドルとなった。

理事会で議長代行を務めた古澤満宏副専務理事は、IMFの同日付プレスリリースで、コートジボワール政府がIMFの支援により実施している経済改革を次のように評価した。

「経済見通しは慎重なマクロ経済政策の継続、金融部門の改革推進、民間部門主導の包摂的成長の促進、構造改革の続行などにより引き続き堅調を維持し、2019~2020年の経済成長率は7.5%前後で推移する見通し。政府は、財政赤字を西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)地域の収斂(しゅうれん)基準であるGDP比3%以内にとどめる目標にコミットしている」として、EFFの成果を強調した。

また、「今回承認された支援プログラムの1年間延長は、堅実な経済政策遂行に当たって重要な支えとなるだろう。財政健全化は、マクロ経済安定維持において極めて重要だ。税基盤の拡大、徴税の効率化、税務管理のデジタル化などにより収入を拡大し、優先分野へ資金を重点配分する一方、支出の抑制が必要となる。また、債務の持続可能性を維持するには、財政赤字を国内、国外の資金源によりバランスの取れた組み合わせで補填(ほてん)することや、慎重な債務管理が不可欠だ」と述べた。

さらに、「コートジボワールでは近年、改革の進展により、ビジネス環境が改善された。今後も、エネルギーや金融部門の改革、人的資本の向上、金融包摂の促進、デジタル化の加速、通商関係の強化、ガバナンスの改善、社会的セーフティネットの機能強化などへの取り組みを強化し、さらなる民間部門の促進とともに、包摂的な成長に向けて改革を促進していかなければならない」と指摘した。

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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