米国年末商戦、最初の5日間の買い物客数は過去最高を記録

(米国)

ニューヨーク発

2019年12月13日

全米小売業協会(NRF)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは12月3日、米国で年末商戦の始まりとされる感謝祭(11月28日)から翌週月曜日(12月2日)まで5日間の買い物客数を発表した。5日間の合計で、前年比14%増の1億8,960万人と、過去最高を記録した。NRFの会長兼最高経営責任者(CEO)のマシュー・シェイ氏は、2019年は感謝祭が前年(11月22日)より6日遅く、年末商戦期間が短いことなどから、期間内に「遅れずに買い物を済まさなくてはならないというプレッシャーを消費者は感じている」のだろうと指摘した。

購入方法別には、ネット購入が1億4,220万人、実店舗が1億2,400万人、両方の利用が7,570万人となった。5日間のうち、ネット購入が最も多かった日は感謝祭翌日の「ブラックフライデー」(9,320万人)で、ネット販売のセール日とされる「サイバーマンデー」(8,330万人)を初めて上回った。シェイ会長は、「10年前のサイバーマンデーは、長期休暇から戻った人々が週明けに職場の高速インターネットでネット購入を行うことを指していた」が、現在ではネット環境の改善などにより「月曜日まで待つ必要はなくなった」と指摘した(「フォーブス」誌12月3日)。

実店舗での購入が最も多かった日もブラックフライデー(8,420万人)となり、次いでブラックフライデー翌日の土曜日(5,990万人)、感謝祭(3,780万人)だった。

5日間における消費者1人当たりの平均支出額は、前年同期比16%増の361.90ドル(2018年は313.29ドル)と大きく伸びた。年齢別には、25~34歳の440.46ドルが最も多く、次いで35~44歳の439.72ドルとなった。また、ネット購入と実店舗を併用した消費者の平均支出額は366.79ドルで、どちらか一方だけを利用した消費者より25%以上高かった。

NRFの調査によると、ネットと実店舗での購入が融合しつつある中で、これがなければ購入に至らなかった要因として、送料無料サービス(49%、2018年:42%)、ネットで注文した商品を実店舗で受け取ることのできるサービス(20%、2018年:15%)が挙げられた。このほか、期間限定のセールプロモーション(36%)、使いやすいウェブサイトアプリ(21%)も上位となった。また、モバイル端末を使って商品の検索・価格比較・購入を行った消費者の割合は75%と、2018年(66%)を上回った。

なお、NRFは年末商戦期間(11~12月)の小売売上高について、前年同期比3.8~4.2%増の7,279億~7,307億ドルになるとの見通しを発表している(2019年10月16日記事参照)。

(樫葉さくら)

(米国)

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